【千歳】道の駅サーモンパーク千歳の指定管理者変更のため、昨年3月末に道の駅から退去した「まき窯ピザ工房ピザドゥ」が8月3日、新店舗(稲穂1)での営業を始める。約8年間にわたって親しまれてきた人気ピザ店の復活を知った顧客からは、歓迎の声が殺到。久保田聡代表(57)は「地元のお客さんに愛されてきたので、千歳でお店を続ける以外の選択肢はなかった。再開できてうれしい」と話している。
新店舗は、道の駅から北へ約300メートル離れた国道沿いに新築した。木造平屋建てで、広さは約150平方メートル。テラス席も含めて60席を用意した。
メニューは、自家製のソーセージや後志管内黒松内町産のモッツァレラチーズなどを使った「ブルンネン」など17種類と、季節限定メニュー3、4種類を提供する。ブルンネンはMサイズ(直径25センチ)が1940円、Sサイズ(同20センチ)が1240円。9月以降はグラタンやラザニア、パスタなども随時提供していく予定だ。
こだわっているのは、ピザの生地だ。東京で16年間、ピザ店を経営した経験を基に、久保田さんがカナダ産と道産の小麦、全粒粉、道産の発酵バター、天然酵母などを独自に配合。独特の甘さと香りの豊かさが際立つ。
久保田さんは2010年7月、家族で移り住んだ黒松内町の道の駅でピザ店を開店した。「まきを使った窯でピザを焼きたい」との思いが募り、希望がかなう場所を探した結果、15年3月に千歳に移住。道の駅サーモンパーク千歳に同年8月、イタリアから約600万円を掛けて輸入した大型釜(幅2・8メートル、奥行き1・7メートル、高さ2・4メートル、重さ4トン)を導入し、ピザの販売を始めた。
転機は突然訪れた。22年秋に道の駅の指定管理者が変わることを知った久保田さん。当時の担当者から「生涯ここにいてください」と言われていたこともあり、営業を続ける意向だったが、新管理者が23年1月に開いた説明会で、2カ月後の退去を求められた。
多くのファンに惜しまれつつ、閉店を決意。札幌の業者から出店の誘いもあったが、移転を迫られた経験を踏まえ「自分だけの店を作ろう」と一念発起し、土地探しや建設工事を進めてきた。
23日にはSNSで再オープンを告知。「独立店舗、楽しみにしていました」「初日に絶対に行きます」など、1千件を上回る歓迎の声や反応が寄せられている。久保田さんは「道の駅の店以上に、くつろぐことができる店にしていきたい」と話している。
営業は午前11時~午後9時(8月3~6日は午前11時~午後5時)。水曜定休、お盆期間中の8月14日は営業する。(柳沼雅貴)
(北海道新聞2024年7月26日掲載)
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