【登別温泉】第一滝本館グループの素泊まりを中心とするホテル「adex inn(アデックス イン)」が1日、新装オープンした。全47室をアウトドア仕様に改装したほか、登別温泉で初となるパン店を併設。訪日外国人客(インバウンド)の体験型観光「アドベンチャートラベル(AT)」の需要取り込みをより鮮明にした。
同ホテルは2023年4月に、アウトドア目的の滞在者を主要顧客に見込んで旧滝本インを改修して開業。7階建てでシングル(17平方メートル)8室、ツイン(21平方メートル)39室ある。第一滝本館のグループ会社「ADEX(アデックス)」では、ホテル隣接地で登山やトレッキングなどのツアーを取り扱いも始めた。
昨年9月にはATの国際イベントが道内で開催され、AT客が増える機運は高まるとみて、「アドベンチャー」をコンセプトにホテルをさらに改装することにした。
ホテルは今年4月からいったん閉鎖し、7月まで改装工事を行った。客室のカーペットは緑色、壁には木材を使って自然の中をイメージ。ユニットバスはシャワー室とトイレに分け、アウトドアグッズを壁掛け収納できるようにした。
長期滞在客の食事の選択肢を増やすため、カフェを改装し、パン店「adex BAKERY&CAFE」をオープン。温泉水を使った「登別温泉クロワッサン」(400円)や食感がよい「ベーコンエピ」(500円)など15~20種類の焼きたてパンを提供する。総投資額は非公表。
ホテルは目標客室稼働率7割でスタートし、現在はほぼ同水準で推移しているが、昨年夏はこれを上回ったという。だが、訪日客は約3割で、志渡将紀支配人はリニューアルについて「(AT目的で)長期滞在する外国人客もターゲットとしていきたい」と話す。
パン店はホテル客以外も利用でき、営業時間は午前8時~午後10時。ベーカリーは月、火曜定休で、パンが売り切れ次第終了。 (伊藤空那)
(北海道新聞2024年8月2日掲載)