釧路市はふるさと納税の返礼品として、市内の名所を市在住の観光クリエーターのガイド付きで回る「タクシー観光プラン」を加えた。アフターコロナを見据え、市に足を運んでもらう体験型の商品を強化し、観光活性化や関係人口増加を狙う。
返礼品に加えたのは、元バスガイドで観光クリエーターの原田カーナ(本名・香苗)さんと日本旅行釧路支店が監修したツアー。幣舞橋や旧太平洋炭礦炭鉱展示館、和商市場などを巡る「市内満喫」と、阿寒湖アイヌコタンや阿寒湖遊覧船体験が付いた「阿寒湖満喫」の2コースを設定した。
両コースとも原田さんがタクシーに同乗し、スポットの魅力や歴史を紹介する。コース、金星釧路ハイヤーの車両(定員3人の普通車、同8人のジャンボタクシー)に応じて4プランを用意し、寄付額は24万4千円~32万8千円。11月末まで案内を受け付ける。
市に2021年度に寄せられたふるさと納税の寄付額は、前年度比12%増の11億7892万円だった。市は22年度の目標額を20億円とし、返礼品の充実に取り組んでいる。
その柱の一つが「体験型」。今後、新型コロナウイルスの影響で縮小した観光の客足が戻ることをにらみ、寄付をきっかけとした訪問から、経済活性化や移住につなげることを目指す。
久万田康司自治体戦略担当部長は「市のファンになり、応援してもらうには、海産物など『物』だけでなく、実際に市を訪れて魅力を知ってもらうのが一番」と強調。現在、ホテル宿泊券や遊覧船チケットなども返礼品に加える方向で調整している。(古市優伍)