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2024.08.10

From北海道新聞

〈旬!を味わう〉甘~いメロン よりおいしく*100年超の歴史 三笠産*果汁は下へ「時々転がして」 ババロアやソーダも簡単に

北海道新聞記事
北海道新聞記事
赤肉が鮮やかなI.Kメロン
赤肉が鮮やかなI.Kメロン

 道内を代表する高級フルーツで、夏に旬を迎えるメロン。栽培の歴史が100年以上続く三笠市の赤肉メロンは、芳醇(ほうじゅん)な香りと甘い果肉で多くの人たちを魅了している。仕事、家事、学業など普段頑張っている自分へのご褒美にいかが―。

 市内の富田農場の富田篤一社長(68)は「三笠のメロンは、一口食べると果肉がとろけて香りも良い」と話す。

 夜と日中の寒暖差が生み出す甘いメロン。食べる2時間前に冷蔵庫で冷やすと果肉本来の甘さを感じられる。「メロンにアイスを載せるととてもおいしい」と富田さん。小さめのメロンは、半分に切ってから中の種を取って、くぼみにバニラアイスを乗せると夏の暑い日にぴったりのデザートになる。

ジューシーでとろける果肉の三笠産メロン(左)と、メロンを栽培する富田農場の富田篤一さん(右)
ジューシーでとろける果肉の三笠産メロン(左) / メロンを栽培する富田農場の富田篤一さん(右)

 メロンは、追熟が進むと甘みのある果汁は、重たく下部に集まる。三笠市農林課長の豊口哲也さん(52)は「甘い果汁が全体に行き渡るよう時々上下左右を入れ替えてみると良い」と追熟の裏技について教えてくれた。

 種を取るときに周りについている果汁や果肉は特に甘いので捨てずにとっておくのがおすすめ。メロン果汁、ガムシロップ、氷(各適量)に無糖の炭酸を注いでかき混ぜると、メロンソーダができる。自然の甘みが生かされて飲みやすく子どもたちに人気だという。

 鍋一つで簡単にできるのは、ぷるぷるとした食感が絶品の「メロンババロア」=末尾にレシピ。三笠市のフィナンシェ専門店「リルスリール」のパティシエ上西歩夢(じょうにし・あゆむ)さん(27)が富田農場のレシピを再現してくれた。果肉をミキサーにかけるか、ざるに押しつけて絞り出す果汁とマシュマロ、牛乳、練乳だけで手軽にできる。マシュマロは焦げやすいため、レシピの倍量で作るか、焦げないようにマシュマロが溶け出したら火を止めて余熱で溶かすようにするのがポイントだ。上西さんは「甘みが強い三笠のメロンだと、練乳を入れなくても十分甘さが感じられるので、好みで練乳の量を調整して」と話す。溶かしたマシュマロに冷たいメロン果汁を入れると固まってしまう可能性もあるため、よく混ぜながら常温の果汁を注ぐと良い。

 メロン果汁は、スイーツだけでなく、料理にも活用できる。塩、リンゴ酢かレモン汁、砂糖、米油などとメロン果汁を混ぜると、メロンドレッシングができる。カッテージチーズや豆腐、鶏ハムなど淡泊な素材にぴったりだ。  (斎藤夏美)

*「芳醇な香り」持ち味

 三笠市で生産されている主な品種は、6月中旬~7月中旬は「三笠メロン」の別名を持つI.Kメロン、7~9月はルピアレッド、摩周レッド、10~ 11月はおくりひめ。いずれも「芳醇(ほうじゅん)な香り」「強い甘み」「鮮やかなオレンジ色の果肉」という共通点がある。ただ甘いだけではなく、芳醇な香りがバランスよく口の中に広がるという。

 同市によると、今年のメロン生産農家数は25戸、作付面積は8.2ヘクタール、推定生産量164トン。近年ではほぼ横ばいだ。

 市内では1919年(大正8年)頃、栽培開始。土壌や気象条件が野菜栽培に適した三笠産の野菜類は、明治末期から「味良し、姿良し」と札幌方面で評判で、メロンの条件にもぴったり。徐々に栽培面積を広げた。

 69年、市と三笠市農協の育種試験により「三笠メロン」が生み出された。その後、市全域で三笠メロンの生産・品質管理が行われ、三笠メロンのブランドが確立された。

♢ ♢ ♢

■メロンババロア

メロンババロア

◇材料(小さめのカップ3~4個分) メロン果汁100cc、ホワイトマシュマロ50グラム、牛乳50cc、練乳小さじ1
◇作り方
①鍋に果汁以外の材料を入れて弱火で加熱する。
②マシュマロが溶けたら、果汁を入れ、よく混ぜる。
③ ②を容器に注ぎ、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やして完成。

(北海道新聞2024年8月8日掲載)

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