【礼文】町の元地域おこし協力隊倉田勇生さん(32)が、町香深の「Cafe Ru-we(カフェ ルーウェ)」で週末限定のパン販売を行い、連日早々に完売するほど人気を集めている。来春にも独立し、香深地区唯一のパン店をオープンする予定だ。
並ぶパンは「ガーリックバゲット」(280円)、「生クリームあんぱん」(250円)など、1日2~4種ほど。約30種はあるというレパートリーから、日替わりで提供する。パンはいずれも道産小麦100%使用。小麦の香りが豊かで、もちもちの食感だ。
倉田さんは仙台市出身。自転車で全国一周の旅をしていた2013年、21歳の時に初めて島を訪れ、人との出会いや景色にひかれた。14年から2年半の間、夏はユースホステルで、冬は町内の建設会社で働き、島で出会った智帆さん(36)と16年に結婚した。
倉田さんの伯父は埼玉県内でパン店を営んでおり、父も働いていた。その背中を見て「仕事のハードさから、パン職人にだけはなりたくないと思っていた」。ただ、旅の中で全国各地のパンを食べ、いざ伯父や父のパンを食べるとそのおいしさに驚き、パンの道を志したという。結婚後に5年間、伯父の店で修業し、22年に協力隊として戻ってきた。
倉田さんは「カフカ製パン」という屋号で来春、自分の店を開こうと準備中。「島の人たちが自慢してくれるようなパン屋になりたい。観光客の人にとっても思い出の一つになるようなパンになれば」と夢を膨らませている。
パンの販売は土、日曜にルーウェで。同店の営業は午前10時~午後5時で、パン販売はなくなり次第終了する。インスタグラム(@ruwe.nonno)に販売情報を掲載している。 (鳥潟かれん)
(北海道新聞2024年8月7日掲載)