8月27日から9月1日に札幌市内で開かれている「第40回アジア競馬会議」に合わせ、同伴する家族や会議の空き時間を活用したい人のために催行された、札幌発着の3つの日帰りツアー「パートナープログラム」。プログラムの2つ目は、「北海道でスポーツを楽しむ」がテーマです。1972年に冬季オリンピックが開かれた札幌には、「札幌オリンピックミュージアム」があります。札幌に隣接する北広島市のプロ野球日本ハムファイターズの球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を含む「北海道ボールパークFビレッジ」は、野球観戦のほか、さまざまな楽しみ方ができます。最後に、併せて立ち寄りたいスポットも紹介します。
五輪の魅力を体感「札幌オリンピックミュージアム」
スキージャンプの大倉山ジャンプ競技場ふもとにある札幌オリンピックミュージアムは、オリンピックミュージアムネットワーク(スイス本部)に加盟する世界35館のミュージアムのひとつで、オリンピックやパラリンピックの魅力、感動を体感できる施設です。オリンピックの歴史や精神、1972年の札幌冬季オリンピックの軌跡などを伝え、冬季競技6種類のシミュレーターで競技の疑似体験もでき、アスリート気分を味わうことができます。展望台からは札幌の街並みを一望できるほか、北海道が誇る食材を味わえるレストランも併設しています。
2階では、古代オリンピックの誕生から近代までの変遷や歴史、歴代の冬季オリンピックのトピックス、天皇家と札幌のウインタースポーツの歩みなどについて、実際のメダルや競技用具、豊富な写真などとともに紹介。180度に広がる円形のパノラマシアターでは、過去のオリンピックの映像を投影し、選手たちの躍動感や感動を大迫力で感じることができます。
1階のスキージャンプのシミュレーターは、大倉山ジャンプ台から滑り降り、大空に飛び出していく感覚を目の前の大きなスクリーンに映る迫力のある映像で体験。ボブスレー滑走では、左右に体重移動させて車体を傾け、コーナーワークに挑戦できます。
展望台からは札幌の街並みが一望でき、ジャンプ台正面には大通公園とテレビ塔を望みます。スタート台に立つジャンパーの気分を体験でき、まるで自分がジャンプ台から大通り公園に向けて羽ばたくような錯覚を覚えます。
ミュージアムに隣接するアネックス2階には、北海道の食材を使うフランス料理レストラン「ヌーベルプース大倉山」があります。この時期は、甘みの強い北海道産のジャガイモ「きたかむい」を使ったヴィシソワーズを提供。おすすめのひと皿は、「敷島ファームの高田さんが育て上げた白老産黒毛和牛の炭火焼き」。脂身と赤身のバランスが絶妙なイチボやランプを炭火で香り高く火入れしており、添えられた野菜とともに、北海道の食材の底力を感じられます。
住所/札幌市中央区宮の森1274 |
各施設の詳細はホームページで確認を |
野球観戦だけじゃない!「北海道ボールパークFビレッジ」
プロ野球・北海道日本ハムファイターズの球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を核とした「北海道ボールパークFビレッジ」(北広島市)は、野球観戦だけでなく、多彩な見どころや楽しみ方があります。ゲームのない日も、球場見学やグルメ、サウナなどを楽しむ人でにぎわっています。
球場見学には、スタジアムツアーが便利です。約50分の「ベーシックツアー」は、ファイターズガールが案内してくれます。まず、シーズンシートの中でもVIP級、1席106万円からの「ダイヤモンドクラブシート」を見学。最前列は、ホームベースまで約15メートルという近さで、選手の表情まで肉眼で見え、迫力いっぱいに観戦できます。
7月にリニューアルしたヒストリーエリアには、建設時の設計図や開閉屋根の仕組み、スタジアムの照明の工夫など、球場ができるまでの歴史や隠された技術についての資料が展示されています。
グラウンドと同じ目線で観戦できるクラブラウンジは、1塁側のドコモクラブラウンジと3塁側のパナソニッククラブラウンジがあり、ドコモクラブラウンジには記者会見をするガラス張りのインタビューエリアが併設されています。中継やニュースで監督や選手が取材を受ける様子を見たことがある人も多いでしょう。クラブシートの外には、フィールドレベルよりも低いところにあるダグアウトクラブシートがあり、目の高さで試合の臨場感を体感できます。
ツアーでは、そこからフィールドに出て、ベンチに向かいます。選手たちが座るベンチの両端は一段高くなった監督用のいすで、座ってみることもできます。
このほか、ファイターズ選手が使うロッカールームやチームミーティングルームなど、通常非公開のエリアを見学できる「プレミアムツアー」(60分)もあります。
球場内には、温泉とサウナ「ととのえテラス」もあります。フィールドを一望できるサウナは世界初で、水風呂と露天の天然温泉風呂から水着着用で試合を観戦できます。
Fビレッジの「世界初」は、ほかにもあります。「そらとしばbyよなよなエール」はフィールドが一望できる世界初のクラフトビール醸造レストラン。センターバックスクリーン内部に2000リットルのタンクが8基並び、ビールを醸造しています。ビールはフラッグシップのセッションIPA「そらとしば Play Ball! Ala」とセゾン「そらとしば Big-Fly Saison」の定番とシーズナルビール1種類。この日のシーズナルは「そらとしば プレイボールエール」でした。ほかに、ヤッホーブルーイングのビール3種も提供しています。ワンハンドで食べられる具材を巻き込んだロールピザやフライドポテトなど、ビールにぴったりのフードも用意しています。
住所/北広島市Fビレッジ1 |
詳細はホームページで確認を |
足を伸ばして森の中のレストラン「アグリスケープ」へ
街中とは違うさわやかな空気に、ヤギの鳴き声が響きます。札幌中心部から車で20分ほどの森の中にある小さなレストランが「アグリスケープ」です。野菜や肉類、卵など料理の素材のほとんどをここで生産。シェフの吉田夏織さんは「動物の命、畑のエネルギーを感じて、お腹も心も豊かになってもらえたら」と話します。
昼は4400円(6皿程度)から、夜は1万3200円(10皿程度)からのコースのみですが、夏の間は外のテラス席限定で、カレー(サラダ、スープ、デザート付き)も提供しています。この日の昼は、ホワイトアスパラのスープ、フキノトウパウダーのソースでいただくズッキーニの花と卵の前菜、ホワイトアスパラやニンニクの芽、ビーツなどを添えた黒豚のもも肉のグリル、自家製のベーコンとアスパラのパスタ、サトホロイチゴとラベンターのシャーベットとハマナスのゼリーなどで、野菜が20~30種類使われたボリューム満点のコースでした。カレーにもインゲンやスナップエンドウ、ズッキーニ、ビーツ、ニンニクの芽など野菜が盛りだくさんです。
2019年のオープン当初から、野菜を自家栽培し、次いで鶏、ブタ、ヤギ、ヒツジなども飼育。養蜂やチーズの製造もしています。こんもり盛られたサラダも、豚モモ肉のグリルに添えられた野菜のグリルも、見るからに新鮮。肉類は柔らかく調理されているものの、生命の力強さを感じる弾力やジューシーさがあり、「命をいただいている」実感がわき、食べれば元気になれそうです。
住所/札幌市西区小別沢177 |
電話/011・676・8445 |