北海道大学には、クラフトビールについて学び、味わい、地域に貢献することを目指すビールサークルがあります。「Be Are kids(ビーアーキッズ)」。ビールの製造方法や歴史などを学び、実際に味わって飲み比べをするほか、道内のクラフトビールのブルワリーが出店するイベントの企画もしています。若者の「お酒離れ」も指摘されるなか、地域に根ざしたクラフトビールに親しむことで、ビール文化の普及に役立ちたいと活動しています。
サークルは北大の学生10数人で、昨年4月に発足。現在は北大を中心に、情報大や北海学園大、藤女子大の学生も一部加わり、北海道内の学生計40人ほどで活動しています。もちろんみんな、20歳以上です。クラフトビールの醸造所を見学したり、ビール検定の受検を目指し、ビールの種類や歴史、製造方法を学んだり、クラフトビールを提供している飲食店を飲み歩く「バーホッピング」を楽しんだりしています。
3月には札幌市中央区のサッポロファクトリーで「北海道クラフトビアファクトリー」を企画、開催。道内6つのクラフトビールのブルワリーを招き、ビールを提供しました。北海学園大のゼミ生が考案し、「TRANS BREWING(トランスブリューイング)」が醸造したビールや、ファクトリーで醸造している「札幌開拓使麦酒」を提供するブースも設け、約550人を集客しました。
また、毎夏、さっぽろばんけいスキー場で開かれている北海道内最大のクラフトビールイベント「Sapporo Craft Beer Forest2024」でも、「北海道ブルワリーブース」の運営を担当しました。
副代表の藤女子大大学院1年の小林優実さんは、士別市の「士別サムライブルワリー」でインターンを経験。小林さんは「ビールの製造過程などを学ぶことができたほか、士別の小麦を使っていたり、地元・士別の人に楽しんでほしいという思いを持って醸造していることを知って、大手ではない、クラフトビールの魅力を感じました」と振り返ります。
同じく副代表の北大3年菅原隆希さんは「クラフトビールの味や香りが好きでサークルに入りましたが、それだけではなく、作り手の思いや地域ごとの特製を生かしていること、ビールがつくられた背景など、ビールの持つ物語にひかれます」と話します。北大3年の小野桃和さんは「単にお酒が好きだからと入ったけれど、同じビールなのにいろいろな色や味、作り方などがあることを知って、幅の広さを感じました」とクラフトビールの魅力にひきこまれた様子です。
サークルは今後も、クラフトビールの魅力を伝える活動を続けていきたいとしています。代表の北海学園大4年、笹野瑚央さんは「北海道のクラフトビールの良さを知ってもらえれば、飲む人も増える。それが北海道のビール文化の継承と発展につながるとうれしい。北海道のクラフトビールをPRすることで、地域に貢献したい」と意気込んでいます。