小樽の人材会社ホープ・ワンは、市民や観光客らがお気に入りの小樽の街巡りのルートを登録し、それを紹介するアプリ「おたるーと」をリリースした。ガイドブックなどでは紹介されない市民が知る景色や、おすすめの店を道順とともに紹介してもらい、新たな観光需要の開拓につなげたいという。
中小企業庁の「事業再構築補助金」を活用し、札幌のIT企業に依頼して作成した。米アップルのiPhone(アイフォーン)、米グーグルのアンドロイド、いずれの端末でもダウンロードできる。
登録する側を「船頭」、登録されたルートを利用する側を「樽民」と命名。船頭はスタートからゴールまで好きなルートを設定し、途中の見どころや撮影ポイントなどを書き込める。同社ではリリースに際し、小樽商科大と協力し、事前に約100のルートを用意。サイクリングにおすすめの道や、小樽ならではの坂を楽しむルートなどがすでに登録されている。
樽民はアプリをダウンロードするだけで、ルート検索などを登録なしで利用できる。同社では観光案内所やホテルにもチラシを置き、観光客のダウンロード件数を増やしたい考え。
また、船頭のルート登録の際は1件1件、同社が個人の庭などを設定していないかチェックするとしている。同社は「普段の散歩道など日常の風景が、観光客にとっては価値になる。ぜひ、多くの市民に『船頭』になってほしい」と呼び掛けている。 (石垣総静)
(北海道新聞2024年10月9日掲載)