スコーンやパンに塗って食べると、生クリームとバターの中間のような口溶け。十勝しんむら牧場(十勝管内上士幌町)の「クロテッドクリーム」(100グラム、1499円)は搾りたての牛乳のみが原料で、自然な甘さと香りのさっぱりした味わいだ。
クロテッドクリームはイギリス発祥。牛乳を加熱して表面に固まる脂肪分を集めて作る。バター代わりにオムレツなどの料理に使うのもお勧めという。
同牧場は、1933年(昭和8年)創業。4代目で社長の新村浩隆さん(53)は酪農学園大(江別)卒業後、牛を牧草地に放し飼いにする放牧酪農にひかれ、国内外で学んだ。
牧場を継いだ94年、つなぎ飼いから放牧酪農に転換した。「牛が牛らしく過ごすことで良い牛乳ができ、飲む人の健康につながる」。土にこだわり、土壌分析を行って改良を進めた。その結果、牧草の密度は高くなり、草の種類も豊富に。牛は病気になりづらくなった。
持続可能な経営を目指そうと会社を設立し、2000年には加工販売も始めた。牛乳と道産ビートを原料とした砂糖で作る「ミルクジャム」(140グラム、842円から)や、低温で殺菌処理しフレッシュな甘味が感じられる「放牧牛乳」(800ミリリットル、648円)も定番商品だ。新村さんは「おいしいと言ってもらえるのは、健康に良いおいしい牛乳を使っているから」と力を込める。
工場隣の「カフェ・クリームテラス」では、ウェルカムドリンクとして放牧牛乳を提供。メニューにはクロテッドクリームやミルクジャムと相性抜群なスコーンやワッフルが並ぶ。新村さんは「自分が食べたいと思うものを作り、食べる人に幸せを届けたい」と話す。 (西山花音)
▼所在地 十勝管内上士幌町上音更西1の261 |
▼電話 01564・2・3923 |
▼営業時間(カフェ) 午前10時半~午後5時 |
▼取り寄せ 自社のオンラインショップ(https://milkjam.com/) |
▼定休日(カフェ) 火曜日(4~12月)、水曜日(11~12月)。1~3月は冬季休業 |
▼交通 JR帯広駅から車で約50分 |