焼きいものほか、サツマイモを使ったスイーツや大学いもなど秋の味覚を楽しむ「さっぽろ焼き芋テラス2024」(実行委主催)が10月25日(金)、札幌市中央区の中島公園の南9条広場で開幕しました。焼きいも店7店のほか、スイーツ店5店やキッチンカー3台、ドリンク提供店など計18店が出店。好天に恵まれたこともあり、初日から大勢の人でにぎわっています。11月4日(月)まで。
焼きいも7店が出店、食感や味わいはさまざま
昨年初めて開催し、11店が並び、約3万人が来場しました。2回目の今年は昨年より7店増え、規模を拡大。初日の25日は、イチョウやカエデなどの木々が色付く中島公園の会場では、オープンの午前11時にはゲート前に長い行列ができ、開場するとお目当ての各ブースの前に詰めかけました。
「おいも屋いも平」(札幌市清田区)は、いろいろなサツマイモを使った焼きいもがイチ推し。日本最大級のサツマイモの祭典とされる「日本さつまいもサミット さつまいも・オブ・ザ・イヤー2024」のシルクスイート部門で日本一に輝いた熊本県の高鍋農園の「紅琥珀スイート」の焼きいも(800円)を出品しています。赤紫色のいもを割ると、中は黄金色。しっとり、ねっとりした舌触りで、「これぞ焼きいも!」という納得の味です。
「安納こがね」(700円)は皮は白っぽく、割ると中はクリーム色。なめらかな口当たりで、ホクホク感のある焼きいもとは一線を画した食べ心地。優しい甘さが特徴で、素朴なスイートポテトを食べているような心地です。
けんぴ(600円)もポリポリと軽い食感で、素朴な味わいです。
「高橋ファーム」(札幌市清田区)の「丸干し・皮付き干しいも」(500グラム1200円)は、細めのサツマイモを丸干しし、皮のまま食べることができます。甘さは控えめですが、ねっとりとした口当たりで、サツマイモらしさを楽しめます。1回に10本程度を、2時間~2時間半かけて焼き上げた「つぼ焼き芋」(100グラム280円)は遠赤外線効果で全体の火が通り、甘さを極限まで引き出しているそうです。
「さつまいもシュガー」(200グラム700円)はサツマイモを蒸して揚げた後に、キャラメルシュガーをまぶしており、サツマイモ自体は甘さ控えめですが、こがした砂糖の香ばしさとキャラメルの香りで、お菓子のような味わいです。サツマイモクリームを入れたコッペパンサンドは、クリームにレモンのような酸味があり、さっぱり、素朴なおいしさです。
焼きいも店7店のうち、初出店は3店。「由栗(ゆっくり)いも」は由仁町と栗山町の農家20戸以上がつくる、ホクホクしながらもねっとりと甘い濃厚なイモの風味が楽しめるブランドサツマイモで、販売会社の合同会社ベジタボ(栗山町)が販売しています。収穫したてはホクホク感がありますが、貯蔵することで粘度を増し、甘くなります。
焼きいもにするのがおすすめだそうですが、焼き芋テラスでは地元の製菓店などとコラボしたタルトケーキや干しいも、などの加工品も扱っています。このうち、「由栗いも畑のキャラル」(2個300円)は、栗山町にある谷田製菓が作るきびだんご風のお菓子で、きびだんごのねっとりとした食感で、由栗いもを練り込んだことで、サツマイモの香りのするキャラメルのようなお菓子に仕上がっています。
同じく初出店の「壺焼き芋 絆」(札幌市手稲区)は練炭を燃やした壺の中にサツマイモをつるしてじっくり時間をかけて焼く「壺焼き芋」が看板商品です。栗山町の「ファームうかわ」の紅はるかを使っており、しっとりとした壺焼き芋(600円~)と急速冷凍したなめらかな冷やし芋(700円~)を販売しています。さらに、壺焼き芋を使った「焼き芋どらやき」(500円)は、壺焼き芋とクリーム、壺焼き芋とあんこの2種類あります。
「自然栽培やきいも みらい畑」(札幌市東区)も初出店で、農薬や化学肥料を使わない自然栽培の紅はるかを提供しています。
ユニークなサツマイモスイーツが勢ぞろい
スイーツ店をのぞいてみます。季節の果物の形を模した「そのまま」シリーズが人気の「パティスリーフレール」(札幌市豊平区)は、店頭でも販売している「そのまま苺」(600円)や「そのままポワール」(同)に加え、焼き芋テラス限定の「そのままさつまいも」(同)を扱っています。クッキー生地の上に、サツマイモのペーストにクリームチーズや練乳を練り込み、楕円形のサツマイモ形に仕上げ、チョコレートをコーティング。サツマイモの甘さを感じますが、クリームがなめらかで、さっぱりした口当たりです。「そのまま」シリーズ3つのお得なセット(1500円)もあります。
「クルンジ」(550円)はクロワッサンをペタンコにプレスし、30センチ以上に伸ばした圧巻の大きさの同店オリジナルのスイーツ。定番のいちごのほか、焼き芋テラス限定のさつまいもには、生地にサツマイモを練り込み、サツマイモ味のチョコをコーティング。パリパリ、サクサクとした食感と香ばしさ、チョコからほんのり漂うサツマイモの香りが楽しいスイーツです。
「もち工房みやび」(札幌市北区)の焼き芋テラス限定商品は「餅屋のスウィートポテト」(850円)。リンゴの甘煮と優しい甘さのカスタードクリームを入れ、上には特製のスイートポテトをしぼり出しています。素材の味が生きた優しい甘さが特徴で、冷たく冷やしても、電子レンジでちょっと温めてもおいしくいただけます。
店頭でも人気がある同店の秋の定番「焼きいも大福」(250円)も出品しています。もち米とさつまいもをつき、黒ごまを入れたもちで、サツマイモあんを包んだもので、北区の自社工場でつくった後に、焼き芋テラスの出店ブースで表面を香ばしく焼いて仕上げます。店のスタッフは「これぞ焼きいもといった味で、本物を越えています」と自信をみせます。
表面におばけの顔をデザインしたかぼちゃ大福と抹茶大福、白大福をセットにした「ハロウィン大福3個セット」(600円)や、かぼちゃ、ピスタチオ、チョコの「フィナンシェ3個セット」(800円)なども、この季節ならではの楽しさがありそうです。
シフォンケーキやクレープが人気の「KOKAGE」(札幌市西区)の焼き芋テラス限定のクレープ「さつまいものクレームブリュレ」(700円)は、サツマイモと自家製さつまいもブリュレ入り。ふわふわのあっさり軽い定番の「天使のしふぉん」に、生クリームとサツマイモをトッピングした「さつまいも生クリーム」も販売しています。
お酒やフードの出店に加え、キッチンカーも
焼きいもやスイーツに加えて、会場ではお酒やフードも楽しめます。
日本酒の品ぞろえに定評のある「桜本商店」(札幌市中央区)はビールや芋焼酎、日本酒などのアルコール類を提供するほか、イタリア料理店などとコラボしたお酒に合うフードも販売しています。
フランス料理店「ビストロデジャ」(札幌市中央区)とのコラボでは、サツマイモのケークサレを出品。甘くなく、サツマイモのほか、ベーコンやタマネギが入り、ほのかにチーズの香りのするケーキです。これはお酒のお供にぴったり。イタリア料理店「オステリア エストエスト エスト」(札幌市北区)と共同で販売している「カボチャのフォカッチャ」はフォカッチャ生地の中に、ほんのりシナモンの香りの甘くないカボチャのフィリングが入っています。ケーキハウス「アルディ」とのコラボでは、「かぼちゃパイ」を用意。こちらも甘くはなく、強めのシナモンの香りに負けないカボチャのしっかりとした味わいが感じられ、ビールでもワインでも、日本酒にも合いそうです。
キッチンカーものぞいてみましょう。「蕎麦とわいん 関」は、店舗でも人気の「特製だし巻き卵サンド」(600円)や「特製コロッケサンド」(同)のほか、焼き芋テラス限定のメニューを展開。「さつまいものおむすび」(200円)は小さめのおにぎりに、カットしたサツマイモがゴロゴロ入っており、スタートから1時間ほどで売り切れる人気ぶり。ほかに、サツマイモ入りの「とん汁」(600円)や「カレースープ」(800円)などが注目を集めていました。
「imo imo」では、「焼き芋クリームブリュレ」(700円)のほか、焼きいも入りの冷たいスイーツ4種を各750円で販売。「焼き芋ブリュレアイス」はバターや砂糖でカラメル状に焦がしたサツマイモがアイスにトッピングされ、パフェのような一品に仕上がっています。
キッチンカーは3台。もう1台は大学いもの専門店「おいもさん」です。これまで、ほくほく、ねっとり、なめらか、クリーミー…など、いろいろなサツマイモを堪能してきましたが、ここで「甘くない大学いも」に遭遇しました。「しょっぱいものが食べたい」という店主の一言で生まれたというサツマイモのフライドポテト「まかない」のほか、チーズ味のものもあります。
「4種のチーズ 炙り」の塩コショウ味(700円)を購入。…となると、これはビールでしょう。先ほどの桜本商店に戻り、サッポロクラシック(600円)と芋焼酎の佐藤黒をソーダ割りで購入、乾杯!
直径5~6センチと大きめにカットされたサツマイモを揚げて、塩コショウ。その上に、濃厚なチーズソースがとろりとかかっています。ビールにも、芋焼酎にもぴったり。焼き芋テラスは、焼きいも好きにはもちろん、スイーツ好きにも、お酒好きにも寄り添ってくれる、楽しいイベントです。
11月4日(月)までの午前11時~午後7時。11月3日(日)までの午後6時~9時には、初めての試みとして、紅葉した中島公園の木々をライトアップする「SAPPORO AUTUMN ILLUMINATIONS」も開かれており、併せて楽しめそうです。
※会場の中島公園南9条広場は、地下鉄南北線「中島公園駅」のそば