鴨肉から出るうまみがスープに溶け込み、職人手打ちの極太縮れ麺とほどよく絡み合う「鴨せいろそば」(1595円)は、「手打ちそばさくら 平岡公園本店」(清田区)の人気メニューだ。代表の三輪貴寛さん(50)は「かむほど甘みが感じられる。一口目は、何もつけずに味わって」と話す。
滝川産の鴨肉は赤身と脂身のバランスが良く、そばに合う。そば粉は、道内では後志管内黒松内町でしか生産されていない希少な品種「奈川」を使う。もちもちとした食感は他の田舎そばとは違い、クセになる弾力と甘みが特徴だ。
おいしいそば作りには良質な水が必要だと言われている。本店には井戸があり、そば打ちには地下200メートルからくみ上げた水を使用。雑味のない味が麺のおいしさをさらに引き立てる。
乱切りの極太ちぢれ麺は、コシと柔らかさがあり、よりそばの風味とおいしさを感じられる。夏と冬で使用するそば粉や練り込む水の温度にも変化があるため、職人は季節により配合や打ち方も変えている。
日高昆布とかつお節をベースとしただし汁に独自に調合した酒やしょうゆを配合したスープは、麺によく絡むよう塩味と甘さの絶妙なバランスを保つ。
三輪さんは、実家の日高管内日高町内の老舗そば店「いずみ食堂」で、家業の手伝いとして小学校5年生からそば打ちを始めており、長い年月をそば打ちにささげている。大学卒業後、会社員を経験し、家業のそば店で5年間修業した後、2005年に札幌市内に客席16席の店を借りて、妻と2人で店を始めた。そばのおいしさが口コミで広がり、08年には現在の平岡公園東に本店を移設。現在は札幌市内を中心に計10店舗を展開する。
寒い季節は、温かいそばが人気で、特にカツオだしカレーそば(1243円)は、濃厚なカレールーと太麺が絡み合い、幅広い世代に愛されている。三輪さんは「素材や作り方にこだわったそばを味わって」と勧める。 (斎藤夏美)
▼所在地 札幌市清田区平岡公園東1の12の5 |
▼電話 011・882・8131 |
▼営業時間 平日は午前11時~午後3時半(ラストオーダー午後3時)、午後5時~8時半(ラストオーダー午後8時)。土日祝は午前11時~午後8時半(ラストオーダー午後8時) |
▼取り寄せ 自社のオンラインショップ(https://www.soba-sakura.com/)で。鴨せいろ(3人前セット)は送料込み5490円。 |
▼定休日 無し |
▼交通 札幌市営地下鉄東西線大谷地駅から車で10分。北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス東栄通中央停留所から徒歩4分 |
(北海道新聞2024年11月22日掲載)