【由仁】町内三川地区に今年10月、フレンチレストランが開業した。店主は札幌から移住したシェフ西原秀徳(ひでのり)さん(64)。町によると、JR三川駅近くの市街地に本格的なレストランが開業するのは初めて。民家を店舗に改装した西原さんは「地元の食材を使ったおいしい料理を提供していきたい」と話している。
西原さんは帯広出身。札幌のホテルやフランスのレストランで経験を積んだ後、29年前に札幌・豊平区でレストラン「フルール・ド・オリーヴ」(フランス語でオリーブの花)を開業。昨年夏までオーナーシェフとして腕を振るってきた。
西原さんは60歳を超えたころから、第二の人生は「農村部に店を構え、生産者の思いを聞きながら料理を提供したい」と考えるようになった。昨年夏の閉店後、札幌近郊を巡って適地を探し、今年4月に三川地区で木造2階建ての中古住宅を購入して、店舗兼住宅にすることを決めた。
西原さんは札幌に家族を残して単身で移住。10月に住宅1階を改装して客席20人ほどの店舗(約50平方メートル)をオープンした。店名は札幌時代を引き継ぎ、「フルール・ド・オリーヴ・カンパーニュ(田舎)」と名付けた。
レストランの売りは、まきでじか火調理した牛肉や豚肉をメインディッシュにしたコース料理。地場産の野菜を前菜や付け合わせに使うほか、地場産小麦の自家製パン、サツマイモの「由栗(ゆっくり)いも」を具材にしたパイ菓子も提供している。
店舗を一人でまかなう西原さんは「由仁町産の野菜は種類が豊富。食材のおいしさを料理を通じてPRし、地域に貢献していきたい」と話す。
コース料理は4400円から。完全予約制(前日午後9時まで受け付け)。営業時間は正午~午後3時、午後6時~10時。不定休。問い合わせは同店、電話090・8898・6172へ。 (山本忠彦)
(北海道新聞2024年12月17日掲載)