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2025.01.15

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由仁の農家 岩崎さん親子*古代種小麦 魅力広めたい*低アレルギー「スペルト」栽培に力

北海道新聞記事
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道内でも珍しい「スペルト小麦」と「つるきち」を栽培する岩崎博之さん(右)と裕太さん
道内でも珍しい「スペルト小麦」と「つるきち」を栽培する岩崎博之さん(右)と裕太さん

 【由仁】町内の「岩崎農園」を営む岩崎博之さん(59)、裕太さん(26)親子が、生産が希少な小麦の栽培に力を注いでいる。小麦アレルギーの発症率が低いとされる古代種「スペルト小麦」と、ラーメンやパンの適性が高い秋まきの「つるきち」の2種類。いずれも栽培や収穫に手間がかかる品種だが、徐々に販路を広げ、現在は全国の製麺会社やパン店に小麦を卸す。岩崎さん親子は「魅力を大勢に広めたい」と力を込める。

 岩崎農園では、小麦を中心に黒大豆や小豆などを栽培。小麦は4品種を30ヘクタールほどに作付けしており、このうち約1割でスペルト小麦、約3割でつるきちを育てている。

 スペルト小麦は紀元前から欧州などで栽培され、パン小麦の原種にあたる。グルテン含有量が少なくアレルギー発症率が低いとされ、近年は健康食品としても関心が集まる。博之さんは自身が小麦アレルギーであることからスペルト小麦に注目し、ドイツから種を仕入れ7年前から栽培。「ナッツのような風味とチョコレートのような甘い香りが特徴」という。

 つるきちは道立総合研究機構北見農試が開発した品種で、2012年に道の優良品種に認定された。「奇跡の小麦」とも言われるキタノカオリを親に持ち、「ラーメンにした際のつるつるとした食感が魅力」と裕太さん。9年ほど前から栽培に取り組み、19年にはつるきちを使ったラーメンとパスタを製品化。胆振管内安平町の道の駅などで販売している。

 一方、スペルト小麦は硬い殻に覆われており脱穀に通常の小麦以上の時間がかかること、つるきちは追肥のタイミングの難しさや他品種の普及に押されたことから、それぞれ道内の生産農家は数えるほどだという。それでも岩崎農園で栽培を続けると口コミで評判が広まり、取引先は道内外の25件まで広がっている。

 裕太さんは「原材料にこだわるパン職人や製麺会社から『この小麦じゃないと』と選んでもらっており、栽培のモチベーションになっている」と語る。博之さんは「今後も栽培を続け、もっと多くの人にスペルト小麦、つるきちの料理を食べてもらいたい」と話した。  (横田望)

(北海道新聞2025年1月9日掲載)

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