
【礼文】札幌から地元の礼文にUターンした武田瑛那(はな)さん(21)が、町香深に「居酒屋はな」を開店した。その日にとれた島の海産物を中心に提供し、来月にはランチ営業も始める。武田さんは「毎日来ても飽きないような、島の人に愛される店にしたい」と意気込む。
店は昨年12月中旬にオープンし、カウンターとテーブルで計33席。カウンター席は落ち着いて飲食してもらうため、入り口から見えないよう壁で隔ててある。テーブル席は今秋に改修し、島では珍しい個室に切り替える予定という。
現在は夜間のみ営業し、「たちぽん」や「たらザンギ」など、地元海産物を素材にした旬の料理を提供。「ハッカクのこっこ(卵)のしょうゆ漬け」といった珍しい料理も用意する。開店から1カ月たち、満席になる日もあるなど好評だ。
町出身の武田さんは、料理上手な母から手ほどきを受け、両親が共働きだったこともあり小学生の頃から台所に立った。礼文高を卒業後、札幌の専門学校で調理を学び、「地元で自分の店を持ちたい」と2023年春に帰郷。浜仕事の手伝いをして海産物の扱い方や調理法を学びつつ、スナックで働いて人脈を広げるなどし、開業準備を続けてきた。
店は家族や知人に手伝ってもらいながら切り盛りする。今春札幌の高校を卒業予定の妹も島に戻り、手伝ってくれるという。
町内は飲食店の数が限られ、昼食の選択肢に困る島民も少なくない。来月始める予定のランチ営業では、麺類や丼物、定食を提供する考えだ。
午後5時~11時。ランチ営業は午前11時~午後1時の予定。不定休。予約や問い合わせは同店、電話0163・86・1250へ。 (鳥潟かれん)
(北海道新聞2025年1月18日掲載)