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2025.02.25

From北海道新聞

北島さん「トラットリア琉」開業*イタリアンとパン 地元利尻で飲食店*亡き弟から命名*「記憶残る店に」

北海道新聞記事
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島の飲食店が少なくなる中、「活気づくりにつながれば」と語る北島さん
島の飲食店が少なくなる中、「活気づくりにつながれば」と語る北島さん

 【利尻】町出身の北島拓人さん(29)が今月上旬、島では珍しいイタリア料理と手作りパンを提供、販売する飲食店「トラットリア 琉(りゅう)」を沓形に開業した。東京の飲食店で修行を積んだ北島さんが地元にUターンし、食パンやフォカッチャ、パスタやピザをはじめ、幅広いメニューをそろえる。北島さんは「島の人にとっての『なじみの店』になれたら」と語る。

 「食事に合う、主張しすぎないパンを作りたい」とほほ笑む北島さん。看板商品は国産小麦を使ったはちみつ入りの食パン(半斤350円)だ。ほのかな甘みとふわふわした生地が特徴。オレガノを生地に混ぜ込んだフォカッチャ(1個100円)はシチューにも合う。ミルクパンやくるみパン、黒ごま食パンなど計6種類を作っている。

 北島さんは旧沓形中(現利尻中)まで島で暮らし、稚内大谷高へ。函館短大で栄養士と調理師の免許を取得後、東京のイタリアンやフランス料理の計4店舗で7年ほど腕を磨いた。

 2023年に島へ戻り、町内で飲食店に勤務。「30歳までに自分のお店を持ってみたい」と、「ゲストハウス1721」内の調理スペースを使い、昨年11月からパン作りを開始。パスタやピザなど徐々にメニューを広げ、今年2月5日にリニューアルした。

 ピザは生地から手作りで、ナガイモとベーコンのパスタやハーブをきかせたイタリア風の唐揚げなど、多彩な創作料理を楽しめる。「小さいころからの知り合いが声をかけてくれ、接客していて島の人の温かさを感じる」と笑顔を見せる。夏場にはウニやコンブをはじめ、島の食材を生かした一品を提供するつもりだ。

 店名の「琉」は09年に町内の交通事故で亡くなった弟の琉人(りゅうと)さん(当時小学2年)の名前から付けた。「活発で人なつこい、甘えん坊の弟だった」といい、「『琉に行こう』と自然と弟の名前を呼んで、お店と名前がお客さんの記憶に残ったら良いな」と話す。

 平日午前7時半~午後2時、午後6時~午前0時。土日祝日は午前10時~午後2時、午後5時半~午後10時半。ラストオーダーは閉店時間の30分~1時間前。水曜定休。問い合わせは公式のラインアカウントへ。パンは平日、利尻おしどまり郵便局でも販売している。 (菊池真理子)

(北海道新聞2025年2月21日掲載)

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