
【支笏湖畔】旅行予約サイトの「楽天トラベル」(東京)が優秀な宿泊施設を表彰する「楽天トラベルアワード2024」の最高位「ゴールドアワード」に、支笏湖畔の老舗宿「丸駒温泉旅館」(幌美内)が選ばれた。同旅館は合わせて「日本の宿アワード」にも選定され、道内唯一のダブル受賞を達成。同旅館を運営する丸駒温泉の日生下(ひうけ)和夫社長は「創業110周年の節目を前に名誉な賞をいただき、大変光栄。お客さま、地域の皆さま、チームのメンバーに心から感謝したい」と話している。
楽天トラベルアワードの選定は、サイトを通した予約数や利用額、利用客の満足度などを総合的に評価し、上位から「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の順に表彰している。
今回は、サイトに登録がある約4万超の宿泊施設の中からゴールドに110施設(道内7施設)、シルバーに110施設(同7施設)、ブロンズに592施設(同36施設)がそれぞれ選ばれた。また、旅館やリゾートホテルなどを対象とする日本の宿アワード受賞の188施設のうち、丸駒温泉旅館は道内4施設の一つに選定された。
2月26日に東京のホテルで行われた表彰式には、日生下社長が出席。特製のトロフィーを受け取った。
同旅館は2021年8月、08年のリーマン・ショックやコロナ禍の荒波にもまれ、民事再生法の適用を申請。これ以降、新しくトップに就任した日生下社長らスタッフが《1》貸し切り型屋外サウナの導入《2》客室やレストラン、ロビースペースの改装《3》新しい宿泊プランを販売-などの新機軸を次々と打ち出し、経営再建に取り組んできた。
1915年(大正4年)12月、支笏湖畔で旅館を開いた初代佐々木初太郎が残した「このような美しく、平和にあふれる世界は見たことがない」との言葉に感銘を受けているという日生下さん。今回のダブル受賞を機に「唯一無二のこの地の魅力を次の100年も同じ言葉で語ることができるよう、さらなる高みを目指し、宿経営に精進していきたい」と決意している。(梶山征広)
(北海道新聞2025年3月5日掲載)