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2025.03.31

From北海道新聞

〈旬!を味わう〉アサツキ 甘くシャキッと*豊浦町で栽培半世紀*酢みそあえ、おひたし…主役に

北海道新聞記事
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収穫、水洗いしたばかりのアサツキ

 アサツキは薬味として使われることが多いが、脇役ではなく主役としても楽しめる食材だ。半世紀以上の栽培歴がある胆振管内豊浦町を訪ね、生産の様子やおいしい食べ方を取材した。

大きなフォークで根元を掘り上げアサツキを収穫する佐藤貴規さん(右)と有希さん

 同町大岸の佐藤貴規さん(41)はビニールハウス1棟(3・3アール)で育てている。佐藤さんは苫小牧市出身。千歳市で陸上自衛官をしていたが、昔から農業に憧れていたという。妻有希さん(35)の実家がある檜山管内今金町と自身のふるさととの中間にある豊浦町を選び、2021年に地域おこし協力隊として移住。3年間の研修を経て昨春に新規就農した。アサツキのほか、イチゴ、サヤインゲンをハウス栽培している。 

 アサツキは研修先の農家から球根を分けてもらい、昨年8月に植え付けた。深さ10センチで7~10センチの間隔を空けて1万8600株を植えた。雑草管理などをしながら12月に屋根かけやトンネル被覆を行って栽培。30センチ程度に育った2月上旬に収穫を始めた。

 収穫は夫婦2人での作業。まず大きなフォークで根元を掘り返し、1株ずつ抜いていく。ハサミで根を切り落とした後、水洗いし、100グラムずつ計ってパック詰めしてシールを貼る。すべて手作業だ。

 アサツキは球根栽培。1株の球根が土の中で成長につれて分けつして5、6株に増える。6月に一度掘り起こして乾燥させ、大きいものはその年の収穫用に植え、残りは再び土に戻して育てる。種球を自家栽培するサイクルが確立されており、来季はハウスを2棟に増やしたい考えだ。

 香りが強くシャキシャキとした歯応えがあるのが特徴で、町内では同じく特産のホタテの稚貝と一緒に酢みそあえにして食べることが多いという。日々、調理しておいしい食べ方を探っている有希さんは「甘みが強いので、シンプルに軽くゆでておひたしにして食べるのが好きです」と話す。今回は「アサツキとホタテ稚貝のかき揚げ」を紹介してくれた。衣に小麦粉ではなく米粉を使うのがミソ。「カリッと揚がり、時間がたってもその状態が長持ちします」と勧める。(佐藤仁)

「北のクリーン農産物」に登録

 アサツキはネギの一種。元々は北海道や本州、四国などに自生する山菜だ。胆振管内豊浦町で野菜として栽培するようになったのは1970年頃。町内の山から在来種を採取し、株分けしてきた。

 豊浦の特産品として育て、2006年には北海道クリーン農業推進協議会が減農薬や減化学肥料の基準を満たした農産物を認証する「北のクリーン農産物(YES!clean)表示制度」に登録された。

 2000年には30戸近くが栽培するまでに拡大したが、その後は高齢化などで徐々に減少し現在は3戸が生産にあたっている。本年度の作付面積は13・2アールで約3トンの出荷を見込む。農家により違いはあるが、3月末頃まで収穫が続き、札幌や室蘭などに出荷している。(佐藤仁)

♢ ♢ ♢

アサツキとホタテ稚貝のかき揚げ

◇材料(4人分) アサツキ100グラム、ボイルしたホタテ稚貝100グラム、米粉150グラム、A(ごま油小さじ2、塩小さじ1)

◇作り方
①アサツキは4~5センチの長さに切る。
②ホタテと①をボウルに入れ、米粉をまぶして混ぜる。
③②にAと水200ccを少量ずつ入れ、アサツキが衣でしっかりコーティングされるように混ぜる。
④③を小さめに薄くまとめ、170度の米油で揚げる。

北海道新聞記事
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