
仁木町のワイナリーのワインを楽しむ「冬のワインパーティーin NIKI 仮面葡萄会」が3月2日、仁木町民センターで開かれ、TripEat北海道のメンバーと一緒に参加しました。入場券の代わりに仮面(アイマスク)が配布され、ドレスアップしたり、仮装したりする参加者もたくさんいました。参加者は町内10のワイナリー・ヴィンヤードが提供した25種類以上のワインを楽しみました。
チケット代わりに仮面、ドレスアップや仮装の参加者も

仁木町ワインツーリズム推進協議会の主催で、昨年に続き2回目の開催。初めて開いた昨年、好評だったことから、さらにゆったりと楽しんでほしいと、今年は午前と午後の2部制にし、定員は2部合わせて100人多い300人。参加者には最初にウェルカムワインとおつまみBOXが配布され、会場でワインやおつまみを購入する仕組みです。


会場には、ドレスアップしたり、仮装したりした人も。ブドウの葉の冠を着け、古代ギリシャの衣装「キトン」のようなドレスをまとった女性とブタさんの着ぐるみのペアや、和装の女性、シックなスーツに身を包んだ男性らに混ざって、TripEat編集部のメンバーは、ゲームキャラクターの「ルイージ」に変身。ワインを飲むには鼻と口ひげがちょっとじゃまそうでしたが、「一緒に写真撮らせてください」と声をかけられ、始まる前は「本当に着替えるの?」と恥じらっていたことも忘れて、まんざらでもない様子でした。私は、ピーターラビットの耳を付けた簡易バージョンで参加しました。


ウェルカムワインはTOMAPU FARM(トマップファーム)の「Haru」。ツヴァイゲルトレーベのロゼスパークリングです。TOMAPU FARMは2024年、春、夏、秋、冬と4銘柄のワインをリリース。Haruはツヴァイゲルトレーベの柔らかい口当たりを残しつつ、淡いさくら色に仕上げたそうです。会場でばったり出会ったワイン好きの知人たちと一緒に乾杯しました。

参加した第2部のおつまみBOXは、余市町のワインバー「ワイン、ときどき豚」のもので、パテ2つと豚肉のマスタード和え、ピクルスが入っています。同店は地元のワインと余市産のブランド豚「北島豚」の料理が看板メニュー。パテは食べ応えがあり、甘めのソースがぴったり。豚肉のマスタード和えは肉が柔らかく、脂身の甘さとマスタードソースの酸味がよく合います。ピクルスは優しい酸味で野菜のおいしさが引き立ちます。ちなみに、第1部は余市町のレストラン「マーレ・ブルー」のおつまみBOXだったそうです。
希少なワインや新ヴィンテージも続々


乾杯ワインはすぐに空っぽ。ドメーヌ・イチのブースでは、代表の上田一郎さん親子が、エジプトの民族衣装「ガラビア」のような仮装で迎えてくれました。まずはオレンジのピノ・グリ。ミネラル感があり、かすかな苦みが心地よく、すうーっと飲んでしまいました。


すかさず頼んだゲヴェルツトラミネールは香りが華やかで、辛口ですが、複雑な味わい。これは、もう1杯飲まなくてはと、ピノ・ノワールをお願いします。フルーティーな香りで、まろやかな酸があります。もう少し、寝かせてみてもおいしいのかもしれません。

続いて訪れたのは、ウェルカムワインの「Haru」をつくったトマップファーム。100年続いた果樹園を、高橋ひかりさんが2020年に引き継ぎ、ブドウを栽培しています。23年にNIKI Hills wineryに委託して初めてワインをつくりました。24年は四季をイメージした4種類のワインを製造。ロゼスパークリングの「Haru」のほか、「Natsu」はケルナーの白、「Aki」はツヴァイゲルトレーベの赤、「Fuyu」はケルナーのスパークリングです。
「Natsu」と「Aki」を注いでもらいました。Natsuは黄緑がかった薄い色合いで、柑橘系の甘い香り、さっぱりとした飲み口です。Akiはスパイシーな香りで、柔らかい渋みとまろやかさがあります。

4人の子どもを育てる高橋さんは「就農から6年目を迎え、ここまで山あり、谷ありで、まさに子育てそのものでした」と振り返ります。四季の名を冠したワインにしたのは「4人のわが子のように育てたブドウで、農園の四季を感じてもらいたい」との思いからだそう。エチケットの後ろ側には、子どものシルエットのイラストが描かれており、春に1人だったのが夏には2人、秋には3人、冬には4人に増えています。つくり手の思いがこういうところに見えるのも、楽しいですね。


次はnaritayaへ。まずは希少な2023年のリースニングとシャルドネをいただきます。醸造本数はリースニングは285本、シャルドネは49本のみ。シャルドネは非売品で、naritaya店内かイベントでしか出していないそう。エゾシカが描かれたエチケットのリースニングはブドウの味わいが感じられ、さっぱりしています。シャルドネのエチケットには、かごに盛られたブドウめがけてダイブしようとしているキタキツネです。
新ヴィンテージの「Asahidai 245 Blanc」ももちろん、飲みます。こちらはピノ・グリやシャルドネ、リースニング、ピノ・ブランなどのフィールドブレンド(混醸)。4シーズン目の醸造で、さわやかな香りで、辛口ですがこくとまろみのある味わいです。
ブドウの種類やヴィンテージ違いも飲み比べ


仁木産業振興社では、3種類のセットがありました。「NIKI East」のポートランドとバッファロー、「NARI-YUKI」のナイアガラを飲み比べできます。せっかくなので、「NARI-YUKI」の旅路も注いでもらって、4種類を飲み比べてみます。いずれもペティアン(微発泡)で、バッファローはロゼ、それ以外は白ですが、いずれもいい具合に濁りが入っています。バッファローはフルーティーな辛口、ポートランドも辛口ですが、ブドウの風味がしっかりしています。NARI-YUKIは化学的手法を使わず、ワインの自然な変化に任せて「なりゆき」でつくったため、このネーミングだそう。旅路はロゼかオレンジかと見まごう色味で、粘度を感じそうなほどの強い濁りがあります。見た目の通り、とろりとした舌触りで、フルーティー。ナイアガラは香り高く、辛口ですが、さっぱりとした甘さがあります。
仁木産業振興社は地域おこし協力隊の隊員と元隊員が設立し、2022年からワインを委託醸造しています。


次はドメーヌ・ブレスへ。白「MIKADO 2022」と赤「咲(EMI)2023」をいただきましょう。MIKADOはびん内二次発酵の際に、和三盆を使用。10数種類と多品種のブドウを栽培しているドメーヌ・ブレスでは、北海道内では珍しい黒ブドウ「ムニエ」も育てています。MIKADOはシャンパーニュと同じく、ピノ・ノワールとムニエ、シャルドネでつくられています。EMIはピノ・ノワール100%。しっかりとした骨格のある味わいです。
カメラを向けると、ドメーヌ・ブレスの本間裕康さん、真紀さん夫妻がノリノリでポーズをとってくれました。真紀さんは金色のゴージャスなドレス姿で、まさに「舞踏会」の装い。裕康さんも黒のマントを羽織り、シルバーの仮面とフリルたっぷりのシャツがよく似合っています。


One Tune Winesの赤「DF/C#(ディーエフオンシー)」は、ドメーヌ・ブレスのブドウを使って同醸造所に委託醸造したワイン。2023年が初ヴィンテージです。早づみのドルンフェルダーをベースに、早づみのシャルドネをアクセントに使いました。さわやかな酸と発泡でさっぱりと飲むことができます。2024年は2023年よりやや色が薄く、見た目はロゼのようで、手書きで「ぴんどん」と名乗っています。ドン・ペリニヨンとまでは言いませんが、きれいな色です。
NIKI Hills Wineryでは、「オレンジ2023」と「シャルドネ2022」を注いでもらいます。オレンジはグレープフルーツや洋梨のような香りで、柔らかい酸、後味に塩味も感じられます。シャルドネはしっかりとした酸味の中にミネラル感があり、洗練された印象です。


North Creek Farmでは、いずれも白の「Ecru(エクリュ)2023」と「ピノ・ノワール2023」をお願いしました。エクリュはピノ・グリやゲヴェルツトラミネール、ケルナーなどのフィールドブレンド(混醸)で、複雑で厚みのある味わい。ピノ・ノワールはエクリュに比べてやや黄みがかった色合いで、濁りもありますが、よりすっきりしています。
ドメーヌ・アルビオーズでは、ロゼ「TAMAYUKI」の2022年と2023年を。いずれもピノ・ノワールを使い、フレッシュなフランボワーズのような香りと味わいの辛口。もう少し、寝かせて飲んでみたい気がしました。


会場のステージでは、楽器の生演奏や各ワイナリーの初ヴィンテージのワインも登場したオークションも実施されました。中世ヨーロッパ、貴族たちがマスクを着け、身分を隠して、無礼講で楽しんだのが「仮面舞踏会」。仮面葡萄会も、生産者、消費者の垣根なく、みんなが楽しめるワインパーティーでした。