
【千歳】日本航空(JAL)は、羽田空港発の航空機内や、到着予定の空港と空港の立地地域を舞台に謎解きを楽しむゲームキット「北海道謎解き空旅」を開発、インターネット上などで発売した。第1弾の舞台は千歳市。来年10月に空港開港100周年を迎える市と連携し、市への誘客や市と継続的に関わる関係人口の増加を目指す。
「空旅」は、キットに同封した謎解きのシートや通信アプリLINE(ライン)の特設サイトを使い、謎解きの答えを入力するなどしてゲームを進める。
第1弾は、千歳市出身で道外在住の主人公が、市から「空港開港100年記念イベントへの招待状」を受け取って帰郷する中で、さまざまな謎解きに遭遇する物語。
人気イラストレーターともわかさんが描き下ろしたアニメーションに、人気アニメ「HUNTER×HUNTER」の主人公ゴン役などを務めた声優藩めぐみさんが登場人物の声を担当する。
市と空港にまつわる歴史も学べる内容で、ゲームをクリアすると、市内各施設で使えるクーポンも手に入る。
JALと市は2021年に連携協定を結び、人事交流なども行っている。市からJALに出向し、今回の企画を担当したWeb販売部の宮沢朋法さん(40)らによると、空港利用客の新規開拓や空港を利用した旅行需要の創出を検討する中で、愛好者が増えている謎解きゲームに着目した。
宮沢さんは「道内観光は新千歳空港から目的地に直行する例が多い。空港が立地する千歳市内にも立ち寄ってほしい思いもあった」と話す。
市空港開港100年記念事業を担当する市企画部の中村充主幹も「初の舞台に千歳を選んでもらえて大変ありがたい。謎解きを通じ、空港100年はもちろん、空のまち、千歳を広く発信したい」とPRする。
JALによると、今回は同社の羽田-千歳便の搭乗を前提とした商品だが、対象路線の拡大も検討中だ。
キットは1セット2420円。JALのオンラインショップ「JAL MALL」と羽田空港の同社売店「JAL PLAZA」で販売している。(加藤祐輔)
(北海道新聞2025年4月16日掲載)