
室蘭市絵鞆町の老舗弁当店「母恋めし本舗」が、室蘭特産のヤヤンコンブを使った新たな加工商品2種類を発売した。ご飯のお供となる「ヤヤン昆布甘露煮」と「昆布と帆立ふりかけ」。ヤヤンコンブは栄養素たっぷりなのが特徴で、関根勝治代表は「熱々のご飯と一緒に味わってほしい」と話している。
ヤヤンコンブは地球岬周辺の浅瀬に自生するマコンブの一種。関根さんによると、血圧を下げるアルギン酸や、免疫力を高めるフコイダンが他のコンブより多く含まれるという。同店の看板商品「母恋めし」に入るホッキ貝の炊き込みご飯にもだしとして使用している。
乾燥させた昆布そのものも販売しているが、ヤヤンコンブは見た目がふぞろいで、本来はだし昆布としてより、煮物やとろろに向くとされる。ただ、調理法が分からない人も多く「もっと家庭で手軽に味わってもらえないか」と考えた結果、ご飯と相性抜群の甘露煮とふりかけに加工して販売することにした。
甘露煮は、オホーツク管内遠軽町産のハチミツと神奈川県産の梅干しをたっぷり使用し、約7時間煮詰めて仕上げた。やわらかく、ハチミツと梅のコクが調和した優しい味わいだ。
ふりかけは、ヤヤンコンブと燻製(くんせい)にした室蘭産ベビーホタテを細かく砕き、同店と室蘭工業大が共同開発した鉄分豊富な塩「室蘭の鉄塩 FCルル」を混ぜ合わせて作った。関根さんは「無添加で素材の味を楽しめ、思わず『あったかご飯』が食べたくなる品に仕上がった」とPRする。
2商品ともに税込み648円。問い合わせは同店、電話0143・27・2777へ。(村上真緒)
(北海道新聞2025年4月19日掲載)