
【夕張】市石炭博物館(高松)の中核施設「模擬坑道」が4月19日から7年ぶりに一般公開を再開している。火災被害から復活した旧炭都の誇りの施設は、火災前の姿とほぼ同様に復元。日本の石炭産業の歴史をいまに伝えている。
模擬坑道は、実際に石炭採掘をしていた坑道を見学できる国内唯一の施設で、国の登録有形文化財。総延長約180メートルで、採炭作業の様子を再現している。
れんが造りの坑口から入る。矢木と呼ばれる補強用の木材で囲まれた傾斜のある坑道を下りると、機械や資材などを運ぶために掘った「上添(うわぞえ)坑道」に出る。突き当たりまで進むと石炭層の傾斜に沿って石炭を掘る現場「採炭切羽(きりは)」が現れる。傾斜を下りると石炭を運び出す「ゲート坑道」につながる。最後は通称「希望の階段」の80段を上って地上に出坑する。



坑道内の温度は約5度、湿度は約70%。時折水滴が落ちる中、本物の炭鉱が体験できる。
休館は火曜(祝日と8月12日は開館)と冬期間。午前10時~午後5時(10月以降は午後4時)。入館料は中学生以上1200円、小学生400円。電話0123・52・5500。(山田智)
(北海道新聞2025年5月2日掲載)