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2025.06.01

From北海道新聞

カレー、丼に刻む「本室蘭中」の名*今春閉校、OBらが商品化*当時の生徒考案「愛されるメニューに」

北海道新聞記事
北海道新聞記事
2月、本室蘭中の22月、本室蘭中の2年生(当時)が調理実習で考案・調理した「本中丼」(カレーショップコロンボ提供)

 今年3月末に閉校した室蘭市白鳥台の本室蘭中学校が、カレーと丼に生まれ変わって校名を後世に残すことになった。閉校直前に生徒たちがメニューを考案し、飲食店などを営む同中OBが商品化に協力。「校名を冠した地域に愛されるメニューに育て」と、市内4店舗で販売中だ。

 「本室蘭中の名前を何らかの形で残したい」

 同窓会長の田中健太さん(47)に突然そんな話を持ち込んだのは、同中最後の校長を務めた永堀善之さん。閉校を1年後に控えた昨年3月のことだ。

 田中さんは精肉店「ハイ・ミートたなか」の経営者。元PTA役員でカレー店「カレーショップコロンボ」を営む内池孝年さん(49)にも声をかけた。「生徒自身にメニューを考えてもらい、商品化しよう」。76年続いた同中への愛着が、生徒、OB、学校を結びつけた。

 2年生25人が家庭科の授業で昨年11月から約4カ月かけてメニューを考えた。アンケートをとると、カレーと丼それぞれ70以上のアイデアが寄せられた。「バッタのかき揚げ丼」など、ちょっと実現は難しそうな案も。田中さんや内池さんと話し合い、最終候補に残った4品を今年2月の調理実習で全員で味わった。

カレーショップコロンボで提供されている甘辛いソースをかけた油淋鶏が決め手の「本中カレー」(同店提供)

 投票で決定したのは油淋鶏(ユーリンチー)を乗せた「本中カレー」と、すき焼き風「本中丼」。「本中(もっちゅう)」とは本室蘭中の愛称だ。油淋鶏ソースには、生徒の発案で蜂蜜やチョコレートを隠し味に。丼のすき焼きは白老牛や白菜、タマネギ、豆腐をじっくり煮込んだ。

 「本中カレー」(税込み920円)はコロンボの市内3店(築地本店、白鳥湾展望台店、モルエ中島店)で、「本中丼」(同980円)は弁当店「肉にく亭」(白鳥台ショッピングセンター・ハック内)で、いずれも4月に販売を始め、客から好評という。

 田中さんは「生徒や校長の強い思いに応えたかった。定番メニューとして販売を続けたい」と語り、内池さんも「本中卒業生は地元愛が強く、ネットワークもあるからこそ実現できた」。永堀さん(現・壮瞥中校長)は「名前が残せたことが本当にうれしい。生徒たちが大人になったとき、自分の子どもに伝えられるような、長く愛されるメニューになれば」と願う。 (村上真緒)

(北海道新聞2025年5月8日掲載)

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