
【稚内】市内でガソリンスタンド2店を経営する木村石油(稚内)は、車中泊できるよう改装した軽バン自動車のレンタル事業を5月1日に始めた。ホテル宿泊やレンタカーの予約が取りづらくなる稚内の夏の観光客の受け皿として需要を見込む。
軽バンは軽自動車規格の貨物車で天井が高く、荷室が広い。同社は後部座席の背もたれを倒した床面に縦170センチ、横120センチのマットレス(セミダブル)を設けた。
身長170センチ以下なら大人2人が横になれる広さで、マットレスから天井までは高さ90センチ。「移動するカプセルホテル」をイメージした。
窓にカーテン、内壁には棚と折りたたみ式の机を備え、ルームライトとは別に宿泊用の電球、差し込み口コンセントもある。枕、掛け布団のほか、寝袋、テントなどのアウトドアグッズをオプションで貸し出す。
同社の木村修太社長(35)の発案で、2月に旭川市で開催された「2024年度道北ビジネスプランコンテスト」で2位に相当する優秀賞を受けた。
木村社長は「車中泊で行動範囲が広がって宗谷管内での滞在時間が長くなり、消費を増やせるのではないか」と提案。交流サイト(SNS)インスタグラムのアカウント「どうちる」(@do_chill.2227)で車中泊できる場所や観光スポットを紹介している。
同社の富磯給油所(富磯)、稚内給油所(大黒4)に計4台用意する。宿泊を伴わない出張や日中のみの利用もできる。
料金は6時間以内6800円、12時間以内8400円、24時間以内1万円の3コースで、それぞれ12時間延長するごとに5千円が加算される。長期利用の割引もある。
問い合わせは富磯給油所、電話0162・77・2210、または稚内給油所、電話0162・22・2141へ。(鳥潟かれん)
(北海道新聞2025年4月26日掲載)