
札幌市中心部の創成川東側の地域「創成イースト」にある「ホテル創成札幌Mギャラリーコレクション」(中央区北2東3)が6月から、バーラウンジの看板カクテルやビールテイスティングセットを提供する「ワールド・カクテル・マンス2025」を実施します。世界各地の「Mギャラリーコレクション」ブランドのホテルで開かれているイベントで、国内では創成札幌のみでの開催です。

同ホテルは、フランスに本拠を置き、世界90カ国以上で3500軒以上のホテルを運営する「アコーグループ」の系列。世界に120軒以上ある「Mギャラリー」は上級ブティックホテルブランドで、国内では創成札幌のみ。札幌のアコー系列ホテルとしては、グランドメルキュール札幌大通公園やメルキュールホテル札幌などがありますが、Mギャラリーはそれよりハイグレードのクラスです。

世界各国のMギャラリーホテルでは年に1度、各ホテルのバーテンダーが腕を振るう「ワールド・カクテル・マンス」を実施しており、季節や地域の特色を活かしたカクテルやドリンク、フードを提供しています。創成札幌は昨年、Mギャラリーとしてリニューアルオープン。エントランスからフロント、バーラウンジまで、インテリアにも凝り、ラグジュアリーで落ち着いた雰囲気が漂います。高級感に圧倒されそうですが、カクテル・マンスのようなイベントがあれば、一見でもトライしやすいかもしれません。
5月下旬には、メディア関係者らを招いたカクテル・マンスのレセプションが開かれ、提供するカクテルやビールテイスティングセットがお披露目されました。カクテルは、系列ホテルのアコヤスターラウンジ「Vヴィラズプーケット」(タイ・プーケット)のバーテンダー、モンコル・レック・センチュッド氏が来訪してつくりました。

提供するカクテルは3種類。いずれもフランス南西部のクラフトジン「シタデルジン」を使います。シタデルジンは18種類の植物素材を材料にしており、独自の抽出方法と芳醇な香りが評価され、国際的な賞も受賞しています。3種類とも、パリを拠点とする著名なインテリアブランド「メゾン・サラ・ラヴォワンヌ」とMギャラリーが共同開発したカクテルグラスで提供されます。

1つめのカクテルは「クリスタル・ディーヴァ」。シタデルジンとシェリー酒、ジャスミン&レモングラスコーディアル(シロップ)を使い、ニック&ノーラグラスに注ぎます。最後にオレンジブロッサムをスプレーで吹き付け、ホワイトチョコレートとジャスミン&レモングラスを飾ります。
飲んでみると、花やハーブの香りが立ち、飲みやすいさわやかな味わい。最後にスプレーしたオレンジブロッサムのかんきつの香りが、みずみずしく立ち上ります。ホワイトチョコレートは小皿に別添えで出され、カクテルと一緒に味わうと、優しいミルクの味わいが、華やかですっきりしたカクテルをより引き立てます。

2つめは「タイムレス・ネグローニ」。ジンとカンパリ、スイートベルモットでつくるカクテル「ネグローニ」に、レッド・ヴェルモット、パイナップルとバンダンが香るイタリアンビターを加えて、トロピカルにアレンジした1杯。オールドファッショングラスに注ぎ、ココナツ入りの薄いクッキーが添えられています。
カンパリとスイートベルモットのほのかな苦みに、南国を思わせるパイナップルやパンダンの甘い香りが重なります。薄いクッキーはサクサクとした食感で、ココナツの甘やかな香りと味が、強めのアルコールを和らげてくれるように感じます。

3つめは「ハニー75」。シャンパンとジンを合わせたカクテル「フレンチ75」をベースに、オリーブオイルでファットウォッシュ(香り移し)したシタデルジン、ヴェルジュ、ハチミツ、オレンジ&カルダモンシロップ、ポメリーシャンパーニュで仕上げています。クープグラスで提供します。
まろやかな甘みを感じますが、さわやかな酸味がたち、すっきりした味わい。ハニー75のシャンパンをソーダに変えるとジンフィズですが、ジンフィズよりもアルコール度数は高いものの、シャンパーニュらしい柔らかい口当たりで優雅な雰囲気です。

ビールテイスティングセットは、このホテルがサッポロファクトリー西館にあり、サッポロビールの前身の開拓使麦酒醸造所があったことにちなみ、サッポロビールのビール3種類を飲み比べることができます。北海道限定販売の麦芽100%の生ビール「サッポロクラシック」と、国産のホップ「ソラチエース」100%使用のアンバーエール「SORACHI1984」、ホテルのあるサッポロファクトリー内でつくられている札幌開拓使麦酒醸造所でつくった非ろ過ドラフトラガー「開拓使ビール」です。フードとのペアリングを重視し、それぞれに合うおつまみも用意しています。


クラシックには、肉料理、ザンギや旬の野菜のフリットなどの揚げ物をはじめ、食事全般に合うそう。この日は、マイタケとズッキーニのフリット、ザンギとペアリング。表面がカリッ、サクッと揚がったザンギは、上品な味付けで、今年食べたザンギの中では間違いなく1番。ザンギやフリットの油のこくやうまみと、クラシックの華やかなホップの香りがぴったりです。


SORACHIには、海鮮料理や繊細な前菜との相性がいいとのこと。この日は、カジキマグロのみそマヨネーズ焼きと根室産ツブのガーリックソテーと合わせます。みそのこくとマヨネーズのまろやかさをまとったカジキに、SORACHIのホップの苦みとモルトの甘みがちょうど良く、ガーリックソテーのツブのうまみをSORACHIの華やかな香りが引き立てます。


開拓使ビールはサッポロビールの前身の開拓使麦酒醸造所が1876年(明治9年)、ドイツでビールづくりを学んだ日本人によって初めてビールがつくられた歴史を継承し、当時の製法をもとにつくられているビール。開拓使麦酒醸造所に隣接するブルワリーパブやサッポロビール博物館など限られた場所でしか飲むことができません。ここでは、3種類あるうち、フラッグシップのピルスナーを提供しています。
開拓使ビールには、くん製肉製品やチーズが合います。この日は、生ハム&北海道モッツァレッラチーズがありました。生ハムの熟成した香りとピンクペッパーのスパイシーさ、開拓使ビールのきれのあるのどごしとホップのさわやかさがマッチします。
ワールド・カクテル・マンスは6月1日(日)から8月31日(日)まで。カクテルは1杯1800円。ビールテイスティングセットは、ビール3種各1杯と、北海道の旬の味覚を活かした6種類のオリジナルおつまみの中から3種を選び、3500円。営業時間は午後3時から11時まで。問い合わせは同ホテル代表電話、011-242-1111へ。