
開きやフライなど、ホッケは北海道民に身近な魚だ。光塩学園調理製菓専門学校(札幌市中央区)の教授陣に、家庭でできるひと味違うホッケ料理を教えてもらった。
「ホッケと丸ナスの木の芽みそがけ」の材料はホッケのちゃんちゃん焼きをイメージした。小骨は身とともに包丁で切ることで抜く手間が省ける。日本料理助教授の大野浩平さん(37)は「ホッケを切るときは、包丁を前に滑らせるように動かすとパチッパチッという音が聞こえる。薄く切ることで骨が気にならなくなる」。京料理のハモの骨切りにヒントを得た。ミニトマトを湯むきして甘酢に漬け込んで添えるとフルーティーな酸味がアクセントとなる。「木の芽みそを、好みで田楽みそやめんつゆに変えてもいい」という。
「ホッケと浅漬けの炊き込みご飯」はカブを手軽に食べることができる。焼き目を付ける際にクッキングシートを使うとフライパンに魚がくっつかない。浅漬けは白菜やキャベツで作ってもおいしい。
このほか西洋料理教授の野村一正さん(55)は「ホッケのスパイシーブランダード」を教えてくれた。干しダラを使った仏料理のホッケ版だ。利用しづらい腹や尻尾の筋っぽい身を牛乳と一緒にゆでて臭みを取り、ゆでたジャガイモと交ぜてポテトサラダ風にする。「衣を付けてコロッケにしてもおいしい」と勧める。(佐藤仁)
■ホッケと丸ナスの木の芽みそがけ

◇材料(2人分) ホッケ100グラム、丸ナス(普通のナスで可)1/2個、玉ネギ1/8個、芽キャベツ1個、ササダケ水煮4本、ニンジン40グラム、長ネギ20グラム、木の芽2枚、木の芽みそ(市販)、片栗粉、塩コショウ各適量、A(白だし大さじ1、水150cc)、油適量
◇作り方
①芽キャベツは半分に切って塩ゆで、ササダケと2枚に輪切りしたニンジンを下ゆでし、Aに漬け込む。
②ホッケは腹骨を取り除き、皮1枚残して5ミリ幅に切れ目を入れる。塩コショウをふり、片栗粉をまぶして170度の油で3~4分揚げる。
③玉ネギは薄くスライスして片栗粉をまぶし160度の油で2~3分、ナスは2センチ幅に切り170度の油で3~4分揚げる。
④器に①②③を盛って木の芽みそをかけ、千切りにした長ネギを添え、木の芽を飾る。
■ホッケと浅漬けの炊き込みご飯

◇材料(2人分)米1合、ホッケ切り身100グラム、油揚げ1/2枚、カブとキュウリの浅漬け(市販品)50グラム、焼きのり、白ごま、塩コショウ各適量、A(水180cc、白だし大さじ1 1/2)
◇作り方
①ホッケは腹骨を取り除き、皮一枚残して5ミリ幅に切れ目を入れ塩コショウを振る。
②フライパンにクッキングシートを敷き、ホッケの皮面から焼いて両面に焼き色をつける。
③油揚げと浅漬けは5ミリ角に切る。焼きのりは一口大にちぎる。
④炊飯器にといだ米とAを入れ、油揚げ、ホッケを加えて炊く。
⑤炊きあがったら浅漬け、焼きのりを入れて混ぜ合わせ、器に盛って白ごまを振る。
(北海道新聞2025年5月19日掲載)