
【増毛】町内の水産加工会社「遠藤水産」は、町港町にイートインスペース「港町通り オアシス 無料休憩所」を開いた。これまで町内では自由に持ち込んで飲食できる場所が限られ、観光客らの受け入れに課題があった。同社は休憩所内で増毛の旬の海産物を掲示し、発信拠点化も図る。
休憩所は同社直売店前にあり平屋建て。内外約200平方メートルにテーブルといすを置き、60人以上を受け入れられる。2年ほど前から準備を進め、今年4月下旬より試験的に休憩所を開放している。
食品工場併設の直売店で購入したすしや海鮮丼などを休憩所内で食べられるほか、来訪者が自ら作った料理や他店の商品の持ち込みもできる。
町内は例年夏、多くの観光客やライダーなどでにぎわう一方、昼食休憩の場所が限られていた。ごみのポイ捨ても散見され、同社の山崎慎常務(44)は「観光地としての受け入れ態勢や衛生面を考えると、イートインスペースの整備が急務だった」と説明する。

休憩所内にはポスターや手書きボードを置き、エビやウニといった増毛の旬の海産物を紹介。町内でのさらなる消費喚起につなげる。加えて簡単なキッチン設備も用意し、同社は今後、あら汁やエビ汁などの軽食も有料で提供する考えだ。
山崎常務は「前浜ならではの新鮮な海産物を多くの方に味わってほしい」とアピール。増毛の観光促進と知名度向上に寄与したいと意気込む。
休憩所の開放は直売店の営業日程に準じ、午前9時~午後4時。火曜休み。問い合わせは同社、電話0164・53・2000へ。(山田健裕)
(北海道新聞2025年5月21日掲載)