オオズワイガニは2023年に日高管内や噴火湾で大量発生して話題となった。ズワイガニの一種で甲羅がやや大きいといった特徴がある。鮮魚店などで入手でき、価格は本ズワイガニと比べ手頃だ。地産地消を進める札幌市中央区のフランス料理店「ビストロ清水亭」の清水正信さん(64)に家庭でできる調理法を聞いた。

清水さんは岩見沢市出身。大阪の調理師専門学校を卒業後、東京やフランスで修業した。道内のオーベルジュ料理長などを経て札幌市内で独立。2012年7月に現在の店を開いた。
「オオズワイガニのフラン、イチゴのガスパッチョ添え」はオオズワイガニの甘さを生かした料理。フランは洋風茶碗蒸しのようなものだ。ミキサーを使って家庭でも簡単に作れる。同じく旬の北海道産イチゴと合わせた。「ガスパッチョは野菜スープ。酸味がありソースとして使うとカニの甘さとマッチする」と清水さん。ガスパッチョが余ったらそのまま飲んでもおいしい。
「オオズワイガニとアボカドの春巻き」はマヨネーズを使った親しみのある味。170度の油で揚げ始め、4~5分たって自然と180度になるように温度調整するとカラッと色よく揚がるという。清水さんは「好みでパクチーを入れても良い。おやつやつまみ、おかずにもなり、ワインやビールに合います」と薦める。(佐藤仁)
ビストロ清水亭は札幌市中央区南3西7(狸小路7丁目)タヌキスクエア1階。午後4時~午後9時ラストオーダー。日曜定休(不定休あり)。問い合わせは電話090・1307・1372へ。
■オオズワイガニのフラン、イチゴのガスパッチョ添え

◇材料(プリン型3個分)
<フラン>ゆでたカニの身 60グラム、生クリーム100cc、カニ汁(殻を煮出しただし汁)100cc、卵1個、塩少々
<ガスパッチョ>A(イチゴ50グラム、トマトジュース50cc、オリーブ油10cc、リンゴジュース20cc、玉ネギ3グラム、塩、ペッパーソース各少々)
◇作り方
①Aをミキサーで混ぜ、冷やす。
②カニの身をプリン型に分けて入れる。
③生クリーム、カニ汁、卵、塩をミキサーで混ぜる。
④②に③を入れてオーブンで湯せん(120度なら45分、140度なら30分)し、粗熱を取って冷蔵庫で冷やす。
⑤④を型から抜き、①をかけていただく。
■オオズワイガニとアボカドの春巻き

◇材料(4本分) ゆでたカニの身50グラム、玉ネギ1/2個、エリンギ1本、アボカド1個、バジル1枚、マヨネーズ30グラム、オリーブ油小さじ1、塩、コショウ適量、春巻きの皮(小)4枚、揚げ油適量
◇作り方
①熱したフライパンにオリーブ油を入れ、スライスした玉ネギとエリンギをソテーする。アボカドは皮をむき、2センチ角のさいの目に切る。
②ボウルに①とカニの身、ちぎったバジル、マヨネーズ、塩、コショウを入れて交ぜ、春巻の皮で巻いて170~180度の油でキツネ色になるまで揚げる。
(北海道新聞2025年6月16日掲載)