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2025.06.24

「北海道庁赤れんが庁舎」の「八角塔」と展望バルコニー先行公開!~7/25(金)にリニューアルオープン

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

大規模改修中の北海道庁赤れんが庁舎

 国の重要文化財で、現在大規模改修中の北海道庁赤れんが庁舎(北海道庁旧本庁舎、札幌市中央区北3西6)が7月25日(金)にリニューアルオープンするのを前に6月24日、庁舎の屋根中央にある「八角塔」がメディア向けに公開されました。これまで一般公開されていなかった八角塔は有料で見学できるようになり、正面の展望バルコニーからはかつて、札幌農学校や開拓使の官営工場などが立ち並び「札幌通」と呼ばれた北3条通や前庭などを見渡すことができます。

リニューアルオープンは7月25日(金)です

 赤れんが庁舎は地上2階、地下1階建てで、延べ床面積約5000平方メートル。北海道庁が開設された1886年(明治19年)に着工し、1888年(明治21年)に完成しました。アメリカ風ネオ・バロック様式の建物で、八角塔までの高さは約33メートル。高さ約20メートルの札幌市時計台や同約15メートルの豊平館などと比べても、当時の洋風建築としては大きなものだということが分かります。1968年に現在の北海道庁本庁舎ができるまで庁舎として使われ、69年に国の重要文化財に指定されました。

メディアに先行公開された八角塔と展望バルコニー

 今回の改修工事は老朽化のため、2019年10月からスタート。約58億円かけ、屋根や内装を貼り替え、れんが壁に鋼材を挿入して耐震化も図りました。高さ約6.5メートル、幅約8メートルの八角塔は今回の改修で、屋根内に制振装置や鉄板を設置して耐震化を図ったほか、床やバルコニーも貼り替え。屋根は新しい鋼材でふき替え、経年変化で青みがかった緑色でしたが、本来の赤褐色によみがえりました。

八角塔に登る途中には、かがんで通らなくてはならない場所も
ここもくぐり抜けます

 八角塔には、2階トイレの横の扉から階段を登って向かいます。階段に向かう途中には、建物を支える梁や鋼材があり、かがんだり段差をまたいだりしなくてはなりません。幅70センチほどの狭いらせん階段と、もう1つの階段計68段を登ると、展望バルコニーのあるフロアに到着します。

八角塔の天井。はしごのような急勾配の階段を登り、北海道旗を掲げます

 見上げると、天井部分は木造で、その上に向かってさらに、はしごのような急勾配の階段が伸びています。これは、八角塔のてっぺんのポールに北海道旗を掲げるためのものだそう。

八角塔の展望バルコニー。先にのびているのが、北3条通

 展望バルコニーに出てみると、予想以上の高さに一瞬、ひるみます。正面には、東にまっすぐのびる北3条通が見えます。ここにはかつて、札幌農学校や開拓使の官営工場など北海道開拓にまつわるさまざまな機関が集まっていました。

開拓期からある木々もある前庭と北3条通

 1924年(大正13年)には、赤れんが庁舎正門前から札幌駅前通までの延長117.27メートル、車道幅14.54メートルに、札幌で最初の舗装道路が施工されました。車道には道南のブナ材が使われ、長さ15センチ、幅9センチ、暑さ8.5センチの木製ブロック約12万4000個にクレオソート油とコールタールを混ぜた防腐剤を含ませ、敷き詰めました。歩道にはアスファルト舗装が施されました。

 1925年(大正14年)には、東京から運んだ樹齢19年のイチョウ32本が植えられ、北海道最古の街路樹として、今も29本が残っています。2011年には、この木製舗装とイチョウ並木が土木学会の選奨土木遺産に認定されました。

 北3条通の場所は今も当時と同じで、前庭にも往時の木々が残っています。展望バルコニーからは、札幌の開拓と発展の礎となった道路と、再開発によって建てられた新しいビル群との共存を眺めることができます。

開拓使のシンボル「五稜星」
八角塔に登る途中で中から見えた「五稜星」
外からは、こんなふうに見えます

 展望バルコニーの先端から八角塔を振り返ると、開拓使のシンボルの「五稜星(ごりょうせい)」を近くで見ることができます。五稜星は赤れんが庁舎に13カ所、掲げられているそうで、八角塔を登る途中にも窓にデザインされた五稜星を見つけることができました。

八角塔の上のポールにはかつて、天候を知らせる旗がはためいていました

 八角塔の上のポールは、今は北海道旗が掲げられますが、創建した1888年(明治21年)当時は、三角や四角のさまざまな色の旗が掲げられていました。三角の旗は風向きを、四角の旗はその日の天気を表しており、例えば赤の三角の旗と白の四角の旗なら「南の風、晴れ」などと、遠くからでもその日の天候を知ることができたそうです。

昔の写真を拡大し、れんがの枚数や形を確認して再建された換気塔

 展望バルコニーからは、屋根の上に突き出ている煙突や換気塔、避雷針も目の前で見ることができます。赤れんが庁舎は1909年(明治42年)の火災で、外壁以外はほとんど消失し、1968年の復原工事で創建時に近い姿に再現されました。創建時の図面がほとんど残っていなかったため、その際に写真から建物のいろいろなパーツの大きさや形を推定しました。換気塔は拡大写真でれんがの枚数や形を数えて、創建時の姿を再建したそうです。

展示室や赤れんがホールなどを整備中の赤れんが庁舎

 リニューアル後の赤れんがには、道内の市町村や地域の観光情報を発信するコーナーのほか、アイヌ文化と歴史、北海道開拓や赤れんが庁舎の歴史、北方領土などに関する展示室を整備し、有料で公開します。会議やコンサート、サークル活動などに利用できる催事スペース「赤れんがホール」2室と道民活動支援室「道民ベース」2室も有料で貸し出します。庁舎前庭のスペース「赤れんがガーデン」も有料で利用可能です。

「白い恋人Akarenga sweet labo」のイメージ
赤れんが庁舎パッケージの「ISHIYAセレクション」

 北海道の食材を使った料理を提供するカフェとレストラン、ショップも新設。カフェは石屋製菓がプロデュースする「白い恋人 Akarenga sweet labo」で、同社の看板商品の白い恋人やソフトクリーム、人気商品を詰め合わせた赤れんが庁舎パッケージの「ISHIYAセレクション」などを販売します。

レストラン「HOUSE H」のイメージ
歴史を感じさせる重厚な雰囲気

 レストランはノースグラフィックがプロデュースする「HOUSE.H(ハウスエイチ)」。ブランチセット(1980円予定)やコース(4000円予定)を提供予定です。札幌市中心部で「ビストロ温室」や「maze」、「発酵ヤード」などを手がけるノースグラフィックが提供する「北海道キュイジーヌ」を楽しめます。ショップはニトリパブリックが運営する「赤れんがショップ」。オリジナルのお菓子や北海道観光PRキャラクター「キュンちゃん」グッズなどをそろえます。

 カフェとレストラン、ショップは無料ゾーンにありますが、そのほかの展示施設などは有料ゾーンとなります。入館料は大人300円、大学生と高校生は200円。毎日4回(午前10時、11時、午後1時、2時)、60分間かけてガイド付きで館内を巡るプレミアムガイドツアーは大人500円、小学生から大学生が250円。八角塔の観覧は小学生以上が対象で、ガイド付き、1人1200円。午前11時、正午、午後2時、3時からの毎日4回で、所要時間は30分。プレミアムガイドツアー、八角塔観覧ともに別途入館料が必要です。

 チケットは当日、赤れんがで購入が可能ですが、前売りチケットも販売します。入館は180日前から、ツアーと八角塔は30日前から販売。前売りチケットは、6月25日(水)から、発売します。

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

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