
【佐呂間】町所有の宿泊施設「悠林館」(町浪速)が、地元客向けのサービスに力を入れている。今年3月から日帰り入浴を開始したほか、個室を貸し切りできる「女子会プラン」なども開始予定。地元のニーズを掘り起こし、観光客が減る冬も集客できる「通年型」の施設を目指す。
悠林館は、町内有数の観光地・サロマ湖を一望できる好立地にあり、夏は観光客でにぎわう一方、冬の宿泊が伸び悩んでいた。今年1月、オホーツク管内を中心に介護福祉事業を手がける「エムリンクホールディングス」(HD、北見)が指定管理者となり、施設の改革に乗り出した。
日帰り入浴は通常料金の600円に対し、町民は500円と割安に。宿泊でも「町民限定プラン」を設け、一般の宿泊料よりも割安で利用できるようにした。
町内では数少ない飲食店の“受け皿”として、昼食付きのプランも充実させる。7月から施設内の個室を2時間貸し切る昼食付きの「女子会プラン」(1人2千円)、ブランド豚「サロマポーク」を堪能できる「バーベキューランチ」(1人3500円前後)を提供し、町民のニーズに応える。
介護福祉施設との相乗効果も狙う。5月からは福祉施設の高齢者のため、消化によい食材を柔らかく調理した特別ランチも提供。エムリンクHDが運営する介護福祉施設だけでなく、同業他社の施設からも引き合いがあるといい、営業マネジャーの幸松杏子さん(47)は「客一人一人に合った細やかなサービスを提供できるのが強み」と語る。
大月章史支配人は「地元客が繰り返し訪れる地域に愛される施設にしていきたい」と力を込める。問い合わせは悠林館、電話01587・6・7511へ。(今井彩乃)
(北海道新聞2025年6月21日掲載)