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2025.07.06

From北海道新聞

ゲストハウスは「旅の保健室」*元教員船橋さん夫妻 北海道・小樽に*日本文化体験や悩み相談*外国人観光客から好評

TripEat編集部
TripEat編集部
「小樽の魅力や日本の伝統文化を伝えたい」と話す船橋さん夫妻
「小樽の魅力や日本の伝統文化を伝えたい」と話す船橋さん夫妻

 小樽市中心部で第二の人生として、国内外の観光客を受け入れるゲストハウスを営む元道立高教諭の夫婦がいる。日本の伝統文化に親しんでもらおうと、茶道や書道、浴衣の着付けなどの体験メニューを用意。一戸建て住宅を活用したアットホームな雰囲気も好評で、外国人の人気を集める。

 船橋勇逸(ゆういち)さん(70)と喜美子さん(69)が営む「ゲストハウス来夢(らいむ)」(稲穂3)。勇逸さんは日高管内日高町(旧門別町)生まれで理科教員を経て校長を、喜美子さんはオホーツク管内美幌町生まれで養護教諭を定年まで務めた。自宅は苫小牧市にあり、来夢の営業日は小樽で生活する。

 ゲストハウスを開くきっかけは、喜美子さんが退職した2016年から2年半、夫婦で暮らしたマレーシアでの経験。船橋さんは日本の大学へ留学を目指す現地学生の指導に2年間携わり、残り半年間はカンボジアやスリランカ、インドネシアなどへ2人で出掛け、ゲストハウスなどに宿泊した。喜美子さんは「日本の伝統文化や風土の素晴らしさを再認識した」と同時に、「外国人に日本の魅力を伝えられるゲストハウスを運営したい」との思いを募らせた。

 喜美子さんは23年、小樽の高校に勤務していた教え子に誘われ、市民から評判の地域食堂を訪問。小樽の自然や歴史、町並みに加え、食堂の造りや雰囲気、立地などから「ひとめぼれした」。高齢者向け共同住宅で、古着のリメークに取り組む高齢者サークル「手しごと工房来夢」の活動拠点「わかば館」だった。

 わかば館は昨年3月、活動拠点を市内の別の場所に移したため、2人は建物を購入して同6月にゲストハウスを開設した。1階の共用リビングにランプやガラス細工など小樽ゆかりの装飾を並べ、和室には喜美子さんが親しむ茶道具を置いて、茶のたて方や飲み方を紹介する。

 外国人の宿泊客が浴衣を着て祭りに出掛けたり、銭湯には喜美子さんも同行したりすることも。船橋さん夫妻は宿泊客の仕事や家族関係の悩みなどにも耳を傾ける。船橋さんは「知らない土地や間柄、旅という非日常で気持ちを打ち明けやすいのでは」、喜美子さんは「教員時代の経験を生かし、旅の保健室になれたら」と語る。

 この1年間の宿泊客は、欧米や韓国、台湾など246組計355人。冬は外国人が9割を超え、夏も8割に上る。民泊仲介サイトや旅行予約サイトなどでも高評価を得ている。

 将来的には地域の交流拠点にもしたい考え。2人は「住民と外国人の宿泊客が交流するだけでなく、高齢者の茶話会や趣味活動の場にもしたい」と夢を描いている。(熊谷知喜)

(北海道新聞2025年6月21日掲載)

TripEat編集部
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