
北海道を代表する果物の一つメロン。贈答品のイメージも強いが、せっかく北海道に住んでいるのだから家庭で楽しみたい。そのまま食べるのもおいしいが一手間加えておしゃれに味わってもいい。札幌ベルエポック製菓調理専門学校(中央区)のパティシエ2人に素材の味を生かしたスイーツの作り方を教えてもらった。
「メロンのティラミス」を作ってくれたのはパティシエ科講師の渡部雄也さん(32)。通常のティラミスはコーヒーやココアを使うが「味が強いのでメロンが負けてしまう」ため使わない。スポンジ生地はカステラで代用可能。その場合はグラニュー糖の量を減らそう。クランブルも市販のクッキーで代用できる。材料を重ねる際には「メロンがうっすらと横から見えるように置いて」とアドバイス。「フランス人シェフ直伝のレシピ。フランス料理の後でもさっぱりと食べられます」と勧める。飾りのメロンはスプーンなどで丸く抜いても角切りでも良い。
広報センター担当でパティシエの木村諭喜(ゆうき)さん(35)は「パンナコッタとメロンのスープ」を教えてくれた。「パンナコッタはシンプルな味なのでメロンの邪魔をしない。好みで塩を少し振ると味が引き締まる」と話す。牛乳と生クリームが同量のレシピだが「総量が400ccであればOK。生クリームが多めだと濃厚になり、逆だとあっさりとする」という。(佐藤仁)
■メロンのティラミス

◇材料(4個分) メロン1/8個、マスカルポーネチーズ100グラム、クリームチーズ30グラム、グラニュー糖100グラム、卵白50グラム(1個分)、スポンジ生地(市販品)1/2個、薄力粉75グラム、無塩バター40グラム、バニラエッセンス数滴、メロン果汁(種の部分を網でこす)60cc
◇作り方
①マスカルポーネチーズとクリームチーズ、グラニュー糖10グラムを混ぜる。
②卵白とグラニュー糖30グラムを角が立つぐらいまで泡立てる。
③①と②を泡がつぶれないように混ぜる。
④メロン果汁とグラニュー糖10グラムを混ぜる。
⑤常温で軟らかくしたバター、グラニュー糖50グラム、バニラエッセンス、ふるった薄力粉を、粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
⑥オーブンの天板にクッキングシートを敷き、⑤を薄くのばして170度で10~15分焼いてクランブル(クッキー)を作る。焼き上がったら適当な大きさに割る。
⑦スポンジ生地を厚さ1センチに切って容器の大きさにくり抜き、④をはけで塗る。
⑧メロンの果肉を1.5センチ角に切る。
⑨容器に③⑥⑦⑧を好みの順番で層になるように入れ、上に⑧と⑥を飾る。
■パンナコッタとメロンのスープ

◇材料(プリン型5個分) 牛乳、生クリーム各200cc、グラニュー糖30グラム、ゼラチン6グラム、バニラエッセンス数滴、メロン果肉170グラム、蜂蜜10~15cc、レモン汁、アイスクリーム、塩、ミントの葉各適量
◇作り方
①ゼラチンを箱に書いてある規定の量の冷たい水でふやかす。
②牛乳、生クリーム、グラニュー糖を鍋に入れ、焦げないように混ぜながら中火で沸騰直前まで温める。
③①を②に加えて溶かし、網でこしてボウルに移す。
④③を氷水に当て、とろみが付くまで冷めたらバニラエッセンスを加えて混ぜ、型に分けて入れる。
⑤④を冷蔵庫で1~2時間冷やし固める。
⑥メロンは70グラム程度を飾り用にスプーンなどでくりぬいて取り分けておく。残り100グラムをミキサーなどでピューレ状にして蜂蜜、レモン汁で味を調え、スープを作る。
⑦⑤の型の周囲を湯で少し温めて深さのある皿に取り出す。⑧⑦に⑥のスープを流し、取り分けておいたメロンを飾る。好みで塩を振りかけ、アイスクリームとミントを添える。
(北海道新聞2025年7月28日掲載)