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2025.09.02

暑い日に食べたい!冷水で締めた麺とひんやりスープの「冷たいラーメン」の人気店8選

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

 お盆を過ぎても、まだまだ暑い日が続きます。そんな日のランチには、冷たいラーメンはいかがでしょう。ハムやキュウリ、錦糸卵をのせた「冷やし中華」ではなく、丼に冷水で締めた麺を入れ、ひんやりスープを張った「冷たいラーメン」は、のどごしが良く、暑さで疲れた体にひんやりスープが染み、元気になれそうです。札幌市内の冷たいラーメンの人気店、8店を紹介します。

=NEW= 北海道産小麦100%の麺、白たまりや味噌も自家製 らーめんさかい

地下鉄麻生駅徒歩1分のらーめんさかい

 道産小麦100%の自家製麺にこだわる「らーめん さかい」。「認定みそソムリエ」や「麹検定3級」の資格を持ち、しょうゆやみそにこだわる店主がつくり出す1杯を求めて来店するファンが跡を絶ちません。四季を通して季節限定メニューも多く、残り少ない夏の間には、冷たいラーメンをぜひ食べておきたいものです。

 地下鉄南北線麻生駅から徒歩1分。ラーメンの写真とともに、「道産小麦使用 自家製麺」と書かれた大きな垂れ幕と清潔感のある白いのれんが目印です。赤と黒で統一された店内はカウンター席とテーブルが2卓あります。

冷た~いラーメンのしょうゆ

 「冷た~いらーめん」は塩かしょうゆを選べます。スープはどちらもきれいな澄んだ色。一口すすると、塩はしっかりめの塩味と煮干しの香り。しょうゆは塩よりガツンと強い煮干しの味と丸みのある優しいしょうゆの味。油分もありますが、どちらもすっきり、さっぱりです。

 「きたほなみ」や「ゆめちから」など北海道産小麦100%の麺は、低加水の細いストレート。ツルンとしていて、かむと小麦の味と香りがしっかり。思った以上にスープが絡み、口の中で小麦の味とスープがちょうどいい具合に混ざります。

 柔らかく、歯ごたえも良い穂先メンマは2本。白ネギと青ネギ、薄切りのタマネギ、氷が2かけら、のっています。ローストポークをスライスしたようなチャーシューは、柔らかく、薄いのに肉のうまみがしっかりあります。スープには赤や黄色、緑色のあられが浮いていて、見た目がかわいらしいだけでなく、香ばしくていいアクセントになっています。

冷た~いらーめんの塩

 半月切りのレモンも添えられており、途中でちょっとかじってスープを飲むと、さっぱりしていて、また違った味わいに。さらに食べ進むと、入っていた氷が少しずつ溶けてきます。実は中にユズの皮が入っており、スープにさわやかな香りが移り、さらに「味変」を楽しめます。

 この日はすでに終売になっていましたが、夏の間には、「冷たい鶏辣油」や「道産アスパラコーンの味噌ラーメン」、「とうもろこしと手造り味噌の冷製擂り流しそば 夏野菜の揚げ浸しを添えて」などの冷たいラーメンも提供されていました。夏だけでなく、「春にしんそば」や「寒鱈の三平潮そば」、「七草タンメン」など、オリジナルの季節メニューも登場します。

 定番メニューも、「鶏そば」や「こっさり味噌」、「和風醬油」など、種類が豊富。店主は製麺技能士の資格も持っていて、メニューに合わせて、あっさりめの一杯には「きたほなみ」や「キタノカオリ」を主体としたオリジナルブレンドの低加水ストレート麺を、こっさり味噌や辛味噌には「春よ恋」と「はるきらり」を主体に、粗くひいた焙煎全粒粉を配合するといった具合に、麺にもこだわります。

 さらに、北海道産の「とよまさり」を使って自家製味噌を、北海道産の「春よ恋」の玄麦を使って自家製白たまりをつくるという徹底ぶり。常に変化と進化を続けています。

店名/らーめん さかい
住所/札幌市北区北38条西5丁目1-57
電話番号/011-727-1166
営業時間/午前11時半~午後3時、午後5時半~9時
定休日/火曜
たばこ/禁煙

=NEW= ホタテのうまみたっぷり、優しいスープ カタカナトメジ

ビルの地下にあるカタカナトメジ

 北大近くにある人気店「らーめん とめ治」の系列店「カタカナ トメジ」。Wスープのらぁ麺やスープが自慢のつけ麺、まぜ麺が人気の店ですが、夏の冷たいラーメンもぜひ食べておきたい一品です。さらに、冷たい麺は期間中にメニューが変わることもあり、目が離せません。。

 札幌市電が走る南1条通を少し南に入ったビルの地下。かなり急な階段を下りると、白いのれんが出迎えてくれます。厨房に面したカウンター席のほか、壁に向かってぐるりと部屋を囲むようにコの字型に席が並んでいます。

猿払産ホタテ干貝柱第二弾のカボス香る冷たい帆立白湯

 冷たいラーメンは夏の期間に種類が変わり、この日は「猿払産ホタテ干貝柱第二弾」の「カボス香る冷たい帆立白湯」(1300円)。丼が到着すると、食べる前からふわっとカボスが香ってきます。よく見ると、スープの表面には削ったカボスの皮のツブツブがたくさん散っています。スープを一口飲むと、干し貝柱のだしがぶわーっと押し寄せます。乳白色に白濁したスープはホタテのうまみたっぷり。カボスのちょっと苦みのあるさわやかさも強く感じます。れんげで底からかき回してスープを飲んでみると、ホタテの貝柱の繊維も入っていました。

 めんは中太のストレートで、しっかりと冷水で締められ、ツルツルの食感。すすり心地が良く、もちもちとした食感もたまりません。具はたっぷりの青ネギと小さな角切りの生タマネギ、柔らかく臭みのないメンマ、鶏胸肉のチャーシュー。チャーシューは厚めにカットされ、しっとり、柔らか。タマネギはサクサク食感で、ぴりっと辛く、香りの良い青ネギとともに、優しいだしのスープの良いアクセントになっています。

 券売機の前のポップでは、このラーメンと「洗い飯〆茶旨味帆立まぶし飯」のセット(1500円)が推奨されており、最後にスープをかけて食べるとおいしいそう。ただ、麺が150グラムと量がしっかりめで、この日は断念しました。

 つけ麺は、増毛産甘エビや鶏、息吹いりこなどだしにこだわったスープが特徴。まぜ麺は夏は冷やした麺、冬は暖かい麺で提供しており、こちらも煮干しや増毛産甘エビなど、うまみにこだわっているようです。曜日によって、朝ラーメンもやっています。

店名/カタカナトメジ
住所/札幌市中央区南1条西7丁目1-1ビルジングフクダ地下1階
営業時間/午前11時~午後3時、午後5時~8時
定休日/SNSで確認を
たばこ/禁煙

黄金色の透明なだし 4味そろい踏み らーめん逍遙亭

電車通に面したビルの地下にあるらーめん逍遙亭

 札幌市中心部にほど近い電車通り沿いのビル地下にある、カウンターだけの「らーめん逍遙亭」。脱サラの夫妻が二人三脚で運営し、釧路ラーメンの流れをくむ、あっさり、滋味深いラーメンを提供しています。

ミネラルを感じる塩味
ゴマ油香る醤油味

 同店は夏の定番メニューとして、冷たいスープに冷たい麺を入れた「冷恋(ひゃっこい)麺」を提供。熱いラーメンと同様、塩味、醤油味、味噌味(各900円)に加え、味噌ミルク味(1000円)も用意しています。スープは鶏ガラとかつお節、野菜から取った、黄金色の透明なだしが基本。塩は透き通ったきれいなスープで、角のない、ミネラルを感じる味わい。醤油も濁りのない透明なスープで、ゴマ油がきいています。

 味噌は鮮やかなオレンジ色で、味噌のこくと深みがあり、ピリ辛。塩、醤油、味噌とも、バーナーであぶった、ごろんとした塊のチャーシューとメンマ、きくらげ、ネギ、半熟卵、カイワレがのっています。味噌ミルクは上に白いミルクの層があり、ピリ辛ながらマイルド。ショウガのみじん切りがたっぷり入っていて、麺をすするとショウガの香りとさわやかさが口いっぱいに広がります。具は鶏ハムと半熟卵、ネギ、カイワレとシンプルです。

ピリ辛の味噌味
ショウガ香る味噌ミルク味

 麺は釧路ラーメンに近い、中細の縮れ麺で、さがみ屋製麺に特注しているそう。細めですが、柔らかいわけではなく、しっかりコシがあり、ツルツルした食感です。カウンターだけの店なので、調理の様子が見え、あっという間にゆであがり、手早く氷水で締め、しっかり水切りされているのが分かります。

 店主夫妻は札幌生まれの札幌育ちで、このスープを口にして感動し、18年前に脱サラして開発者からレシピを引き継ぎ、開業したそう。店主は「今はこってりした動物系のだしのラーメンも人気だけど、昔は鶏ガラ、かつお節のシンプルなこういうスープが多かった」と話します。

 私は実は、熱いラーメンが苦手。ところが、釧路勤務時代に「釧路ラーメン」に出会って、だしのおいしさとシンプルな味わいにひかれて、釧路ラーメンラバーに変身しました。今でも、一般的なラーメンは苦手ですが、釧路ラーメンだけは好きで、この店の冷恋麺にもくぎ付け。最初に塩を食べて、立て続けに訪れ、全種類を制覇しました。「夏だけなのがもったいない」と、ひそかに通年メニュー化を願っています。

らーめん逍遙亭
住所/札幌市中央区南1条西5丁目17-2プレジデント松井ビル100地下1階
電話番号/011-231-3934
営業時間/月曜=午後5時~9時、火、木、土曜=午前11時~午後4時、水、金曜=午前11時~午後9時
定休日/日曜・祝日。不定休あり

ここだけのオリジナル、合鴨のだし 鴨だしラーメン専門ダックラーメンエイジ

鴨だしラーメン専門ダックラーメンエイジ

 今年3月、札幌市中央区にオープンした「鴨だしラーメン専門ダックラーメンエイジ」は、北海道産小麦の麺や化学調味料を使わない無化調スープ、北海道産食材のトッピングなどにこだわる「MEN-eiji(麺エイジ)」グループの新店です。以前は札幌市東区で営業していた人気店でしたが、鳥インフルエンザの影響で閉店し、ファンの期待を受けての再スタートです。

鴨の脂がうっすら浮いた透明なスープの冷製鴨塩

 冷たいラーメンは「冷製鴨塩」(1400円)。脂がうっすらと浮いたスープは、透き通った黄金色。白髪ネギと大葉の千切りがこんもり盛られています。スープを一口飲むと、さっぱりしているのに、鴨の深いうまみとかすかな甘みがあります。麺は十勝産の小麦「キタノカオリ」100%で、添加物や保存料を一切使わず作っています。太めでもっちりですが、ツルツルとすすりやすく、小麦の味と香りがしっかり感じられます。

 チャーシューは鴨ロース肉。ほんのりピンク色で、驚くほど柔らか。かむほどに鴨のうまみがじゅわりとしみ出すおいしさです。ネギをかき分けると、麺の真ん中には甘めに味付けした鴨のそぼろがかかっています。鴨の脂も結構あるようですが、くどさは感じません。思いついて卓上のコショウをかけてみると、ぴったりで、風味がぐんとアップします。ほかの具は柔らかいメンマとミョウガ、なめこ、オクラ、細くカットし甘く煮付けた昆布。なめこのつるんとした食感やミョウガのさっぱり感、昆布の甘みなど麺、スープ、そぼろの合間にさまざまな味が混ざり、食べ飽きしません。

月見風にしたり、すき焼き風にしたりできる無料の卵

 テーブルの上には、卵がかごに盛られ、「新鮮たまご無料」の札が。栗山町の酒井農園の卵で、月見風にしたり、小鉢に溶いて麺を付けてすき焼き風にしたりできるそう。冷たいラーメンに合うのか、やや不安になりながら1個割り入れてみると、合う!麺に絡めても、そぼろやスープと混ぜても、まろやかさと全体の一体感が増します。途中、卓上の柑橘酢を入れると、さっぱりしてまた違ったおいしさを味わえます。

小ぶりながらも殻の固さ、しっかりした黄身、弾力のある白身で新鮮なのが分かります

 季節限定の冷製鴨塩以外のメニューは、鴨醤油や鴨塩、鴨つけ麺、鴨脂まぜ麺など。鴨と豚のシューマイや鴨脂ごはん、鴨ほぐし肉ごはんなど、鴨にこだわったメニューがずらり。店で使う合鴨の産地は、滝川と幌延、岩手など全国6カ所のものを厳選しています。

 ほかの素材も、手塩産の天然シジミや愛別産のキノコ、北海道産のアサツキや軟白ネギなど産地にもこだわり、調味料も北海道の「トモエ味噌」や秋田県のしょっつる、愛知県の本みりん、イタリア産のバルサミコ酢など鴨のうまみを最大限に活かすことを目的に選んでいます。

 店内は、コンクリート打ちっぱなしの壁に、コの字型の白木のカウンター席と、ボックス席が2つ。清潔感があり、ちょっと高級な和食店のような雰囲気です。そのおしゃれな空間で、「鴨ラーメン」という新ジャンルの1杯が提供されています。

店名/鴨だしラーメン専門ダックラーメンエイジ
住所/札幌市中央区南8条西14丁目1-22
営業時間/月、火、木曜=午前11時~午後4時、金、土、日曜=午前11時~午後9時
定休日/水曜
たばこ/禁煙

麺に絡むジュレ状スープ 洋食シェフの技法も らーめん紫雲亭

中央バスターミナル地下の食堂街の一画で営業するらーめん紫雲亭

 創成川沿いにある北海道中央バス札幌ターミナル地下には、昭和レトロな雰囲気が漂う食堂街があります。その一画で営業する「らーめん紫雲亭」は、昼時には行列ができる人気店。メニューで「当店一番人気」とうたう醤油ラーメンや「店主オススメ」の塩ラーメンなど定番メニューのファンでも、この時期味わっておきたいのが、夏限定の冷たいラーメンです。

 たれをかけた「冷やし中華」(1300円)もありますが、冷たいスープに浸ったラーメンは、その年によってラインナップが変わるそう。2025年夏は、「冷たいスープのあっさり塩ラーメン」(1200円)と「ビシソワーズの冷たい塩ラーメン」(1500円)、「冷やし味噌担々麺」(1200円)がラインナップしています。(一時期、ビシソワーズは「桃のコンポートの冷たい塩ラーメンカプレーゼ仕立て」として提供)

冷たいスープのあっさり塩ラーメン

 冷たいスープのあっさり塩ラーメンは、涼しげなガラスの器で提供。麺は、西山製麺の特注で、中太、ゆるいウェーブがかかっています。水分を吸収しやすく、スープによく絡む少加水麺です。

 特徴的なのは、スープ。ジュレとまでは言いませんが、強めのとろみがついており、麺を持ち上げると、たっぷりとスープをまとっています。麺をすすると、スープも一緒にたっぷりと口の中に入ってきます。提供された時には、普通のラーメンのように麺が隠れるほどたっぷりと入っていたスープが、普通に麺をすすって食べただけなのに、食べ終わるころには麺と一緒に吸い上げてほとんどなくなってしまうほど、麺によく絡みます。

 具は鶏チャーシューとメンマ、ネギ、キクラゲに加え、塩レモンとネギしょうががトッピングされています。塩レモンはレモンの酸味と皮の苦みが感じられ、スープに溶かすとさっぱり感が増します。ネギしょうがも風味が良く、「味変」しながら、飽きずに食べることができます。

 この店は、札幌ラーメンの名店として知られた「富公」のファンだった店主が、富公の店主の逝去後、富公の味を目指して創業。店には、その「富公」ののれんが飾られています。現店主はもともと洋食のシェフで、サイドメニューのキーマカレー(ハーフ、350円)やハヤシライス(ハーフ、400円)も大人気だそう。

らーめん紫雲亭
住所/札幌市中央区北1条東1丁目3中央バスターミナル地下1階
電話番号/011-271-4010
営業時間/午前11時~午後2時
定休日/日曜、第1月曜

貝のうまみと風味凝縮 道産小麦の麺で 貝麺ぶこう-武幸-

ススキノの外れ、ラーメン激戦区に店を構える貝麺ぶこう-武幸-

 ススキノの外れ、札幌市電東本願寺前駅周辺は、札幌屈指のラーメン激戦区。そこで2025年4月、旗揚げしたのが「貝麺ぶこう-武幸-」です。名前の通り、貝でだしをとったラーメンの専門店で、あっさりしていながら、貝の風味とうまみが凝縮されたスープと北海道産小麦を使った麺のこだわりの1杯を楽しめます。

 夏限定のメニューは「冷たい貝麺」。同店のスープはアサリとハマグリ、ホタテをじっくりと炊いた「貝スープ」がベースで、貝麺にはこの貝スープにさらに大量のホタテを追加して炊いたものを加え、貝のみでうまみを出しています。冷たい貝麺のスープは少し白濁しており、貝の風味があふれています。塩味は控えめで、濃厚な出汁が口いっぱいに広がります。

 麺は北海道産の「ゆめちから」と「きたほなみ」をブレンドし、道外の製麺メーカーに特注で製造を委託。ツルリとしたなめらかな口当たりで、かむともちもち、貝だしに負けない味わいが感じられます。

貝のみのだしでつくった冷たい貝麺

 具は3枚のチャーシューとネギ、刻んだ紫タマネギ。チャーシューはすべて種類が異なり、豚肩ロースと鶏むねは真空低温調理で仕上げ、しっとりしており、パサつきはまったくなし。豚バラはジューシーで、味もよく染みて、赤身部分の肉のうまみが感じられます。ネギは九条ネギ専門の農業生産法人「京都知七(ともひち)」から仕入れて小口切りに、紫タマネギは粗みじんにカットされ、だしのうまみたっぷりのスープのアクセントとなっています。スライスされた柑橘は、途中でレンゲで少し押して果汁を絞り出して「味変」できます。

 温かいメニューは、貝だしとじっくり炊いた牛骨の牛白湯をミックスした「中華そば」と貝のみの「貝麺」、貝まぜそば。貝のしぐれ煮ご飯もあり、ラーメンのスープをかけて雑炊風にして食べるのもおすすめだとか。メニューには、貝のうまみの強さを示す「貝印」が5段階で表示されています。

 店主2人は東京の貝出汁ラーメンの有名店で修行し、故郷・札幌で独立、開業したそう。店内は白木のカウンターのみで、少し高級な和食料理店のような清潔感のあるたたずまい。同店の近くには「五丈原」や「えびそばの一幻」などラーメンの有名店があるうえ、2軒横の「つけ麺八芒」にも行列ができており、まさに激戦区。そんな中、貝のうまみを武器に、新たなおいしさを提案しています。

貝麺ぶこう-武幸
住所/札幌市中央区南6条西9丁目1024
電話番号/011-252-7293
営業時間/午前11時~午後3時、午後5時~9時
定休日/月曜

元和食料理人がこだわる「だし」 和出汁中華SOBA山わさび

元和食料理人の店主が営む和出汁中華SOBA山わさび

 「和出汁中華SOBA 山わさび」は元和食の料理人がつくる、だしのきいた1杯を提供しています。一般的なラーメン店にある、みそ、塩、しょうゆといったメニューではなく、「鶏出し」「鴨」「煮干し」など、だしのこだわりが感じられるものがラインナップ。季節によって変わり種も多く登場します。

 2025年の冷たいラーメンのメニューは、「なまらしゃっこい 山わさび塩」と「アサリとレモンの冷たいSOBA」。山わさび塩は、黄金色のスープで、和風のだしのうまみがあり、優しい塩加減。具はローストビーフと鶏むね肉のチャーシュー、プチトマト、小口切りのネギ、メンマ、そして氷がプカプカと浮かんでいます。ローストビーフの上には山わさびがたっぷりのっており、スープに溶かして麺をすすると、「冷たーい」「ツーンと辛ーい」が一緒に口の中を駆け巡ります。辛い、うまいでレンゲを口に運ぶ手が止まらなくなります。

なまらしゃっこい山わさび塩
アサリとレモンの詰めたいSOBA

 アサリとレモンの冷たいSOBAには、どんぶりの表面一杯に、たっぷりの貝殻付きあさりとレモンの輪切り、プチトマトと小口切りのネギがのり、色合いがきれい。透明な薄い黄金色のスープを一口飲むと、アサリのだしを強く感じます。上に回しかけたオリーブオイルの香りもきいており、プチトマトとの相性は抜群。レモンの酸味がさっぱりとさせてくれます。チャーシューは鶏むね肉で、しっとり、ジューシーです。麺は、両方同じ、中細ストレート。やや柔らかめですが、冷たく締められており、ツルツル食感でスープとの絡みもちょうど良い具合です。

 店は5年前に開業。「しじみとあさりの白みそ」や「鶏出し白醤油」、「煮干し醤油」、「鴨醤油」など、だしのうまみをいかしたメニューを展開しています。看板メニューは鶏だしをきかせた「山わさび塩」。味の濃さや調味料の味ではなく、だしのおいしさを感じさせるラーメンが自慢です。

和出汁中華SOBA 山わさび
住所/札幌市豊平区平岸3条9丁目9-18
電話番号/090-5071-5570
営業時間/月、火、木曜=午前11時~午後3時、水、金、土、日曜=午前11時~午後7時
定休日/不定休

澄んだ透明スープ、節や煮干し、ベジブロスも らーめん清湯

透明なスープが持ち味のらーめん清湯

 「らーめん清湯(ちんたん)」は、店名の通り、澄んだ透明なスープが持ち味。だしの味をいかしたきれいなスープと、ストレート麺がぴったりマッチし、はしもレンゲも止まりません。この時期には、このスープと麺をキンキンに冷やした冷たいラーメンが数種類、登場。食べない手はありません。

 2025年の冷たい麺は、「清湯冷たいらーめん」と「冷たい焼き煮干し」、「冷たいベジらーめん」。「清湯冷たいらーめん」のスープは、さば節やかつお節などでだしを取っており、塩としょうゆの中間のような色合い。そのスープの中に、太めのストレート麺がきれいにそろえて盛られています。スープを一口飲むと、意外にも脂を感じます。最初に感じるのはかつお節のスモーキーな燻製のような香りと、魚の香り。その後に、さば節のこくと甘みもあります。脂の感じと燻製のような香りで、どこかオイルサーディンを思わせます。固めにゆでた麺は氷水でしっかり締められた「ポキポキ系」。店主がインスタグラムで「一番旨い一杯に仕上がったと思う」と自画自賛するできばえです。

清湯冷たいらーめん
冷たい焼き煮干し

 「冷たい焼き煮干し」は名前の通り、煮干しだしです。塩としょうゆを選ぶことができ、塩で。スープを口に含むと、ガツンと煮干しのだしを感じます。冷たいらーめんと同様、脂もありますが、煮干しの魚の香りとだし感が勝り、さらに濁さず澄んだスープのため、煮干しラーメン特有のえぐみの強い「ニボニボ」感はなく、うまみだけがバーンときます。麺は、冷たいらーめんよりも細いストレートで、博多とんこつラーメンの麺のよう。もちろん、しっかり冷たく締められており、冷たいらーめんよりも、より「ポキポキ感」が強く、その食感がスープにぴったりです。

 双方ともに、具は鶏むねチャーシューと長い穂先メンマ、岩のり、ネギ。冷たいらーめんの方には、ゆずの皮も入っています。穂先メンマは柔らかく、臭みもゼロ。岩のりはスープに浸して口に含むと、磯の香りがふわっと香ります。

 もうひとつのベジらーめんは、動物系のだしは使わず、ベジブロスのみ使用。あっさりした味わいが人気で、この日は売り切れていました。

らーめん清湯
住所/札幌市北区北15条西5丁目1-7
電話番号/011-839-0674
営業時間/午前10時45分~午後3時、午後5時~9時半
定休日/水曜日
小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

トリップイート北海道

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