
北海道は都道府県別で全国1、2の収穫量を誇る枝豆の産地だ。塩ゆでして食卓に置いておくとついつい手が伸び、気がつくとなくなっていることが多いのではないだろうか。家庭でもおなじみの食材だが、札幌市中央区の居酒屋「酒菜みたに屋」の三谷和広さん(56)に、ビールのお供にとどまらない料理を作ってもらった。
高級食材と合わせ、日本料理の調理法を使うことで庶民の味をグレードアップしたのが「枝豆とズワイガニの白あえ」だ。「カニはズワイガニに限らず毛ガニでも花咲ガニでもお好みでOK。豆腐の原料は枝豆と同じ大豆なので相性が良い。ごまの味を利かせるのがポイントです」
「枝豆のムース」にすれば子供も食べやすいスイーツに変身。さやから外した枝豆一粒一粒は薄皮に覆われており「薄皮を取り除いた方が口当たりが良くなる」という。三谷さんは「枝豆の代わりにトウモロコシやカボチャ、サツマイモなど他の野菜でも作れます」と料理のレパートリー拡大をアドバイスする。
酒菜みたに屋は札幌市中央区北3西7緑苑ビル地下1階。午前11時半~午後2時(ランチは不定休)、午後5時半~10時。日祝日休み(土曜は2日前までに予約があれば営業)。電話011・211・1997。(佐藤仁)
枝豆の正味の分量は、さや付きのおよそ半分。白あえに使う場合は通常の塩ゆでにする。三谷さんの場合は塩分濃度3%程度の熱湯に投じ、再沸騰してから約3分ゆでる。ムースにするには塩を入れずに15分ほどゆでて軟らかくする。
■枝豆とズワイガニの白あえ

◇材料(3人分) 塩ゆでした枝豆正味60グラム、ほぐしたズワイガニの身450グラム、もめん豆腐半丁、A(練りごま、砂糖各大さじ1.5、薄口しょうゆ小さじ2)
◇作り方
①豆腐をキッチンペーパーなどに包み、重しを載せて20~30分水切りをする。
②①を裏ごしし、Aを混ぜる。 ③枝豆、カニ、②をあえる。
■枝豆のムース

◇材料(ココット5個分) 軟らかくゆでた枝豆正味130グラム、砂糖40グラム、牛乳100cc、生クリーム50cc、卵白1個分、粉ゼラチン4グラム
◇作り方
①卵白を角が立つぐらいまで泡立てる。
②小鍋で牛乳を人肌ぐらいに温め砂糖、ゼラチンを入れて溶かす。
③ミキサーに枝豆、②を入れてかくはんする。
④③をボウルに入れ、①、生クリームと混ぜる。
⑤ココットに分け、冷蔵庫で1時間程度冷やし固める。 ◇メモ 枝豆はココット一つにつき2、3個取り分けておき、固まった後に載せると見栄えが良い。
(北海道新聞2025年8月25日掲載)