
北見市に今年6月開店した生キクラゲ専門店「森下商店」(東相内224)のキクラゲが、10月に札幌市内で行われたきのこの見栄えなどを競う「第20回北海道きのこ品評会」のキクラゲ部門で、最高位の優秀賞に輝いた。運営する森下貢嗣代表(39)は「北海道一のキクラゲという夢がかなってしまった。キクラゲの魅力を多くの人に広げたい」と意気込む。
北海道によると、2024年時点で道内のキクラゲの生産者は9団体・個人。ただ市場に出回る9割が中国産の乾燥キクラゲといい、森下代表は「生キクラゲ本来の肉厚な食感を届けていきたい」との思いで開店した。
栽培施設は、湿度約80%、温度は20度以上に保つ。針葉樹のおがくずに、栄養分を混ぜて固めたブロック形の「菌床」を使って栽培。カッターで菌床に切り込みを入れた場所から1週間程度で、キクラゲが生えてくるという。
キクラゲは「食べる漢方」と言われるほど、鉄分やビタミン、食物繊維、カルシウムなどが豊富。「生産者によってキクラゲの出来は大きく変わる」(森下代表)といい、温度、湿度、酸素と二酸化炭素濃度などさまざまな要素が生育に影響を及ぼすという。栽培方法は独学で、「乾燥しているからといって水やりをしすぎてもいけない」と難しさを語る。
日々の試行錯誤が実を結び、10月14日に札幌市内で開かれた品評会で、北海道一のキクラゲという称号を得た。キクラゲ部門に出品した7団体・個人のうち、幅や大きさが均一である形状や、弾力などが評価された。現在は居酒屋やラーメン店など、北見市内の約10の飲食店のほか、釧路市や網走市の鶴雅リゾートなどのホテルと取引があるという。
森下代表は「毎日が失敗の連続だが、肉厚で張りのあるキクラゲを栽培できるように、追求し続けたい」と意欲を見せる。
森下商店の営業は午前11時からで、キクラゲが無くなり次第終了。不定休。詳細は同店のインスタグラム(@morishitashoten)、問い合わせは同店、電話090・6993・7828へ。 (佐藤菜々子)
(北海道新聞2025年10月31日掲載)


