
【津別】町中心部の津別川沿いに広がる「21世紀の森キャンプ場」で、旧国鉄時代の鉄道車両2両が“再生”中だ。道外のボランティア3人が現役当時の輝きを取り戻そうと、2年前から整備作業を続けている。町も修復に感謝するとともに、観光資源としての活用を検討していく考えだ。
10月8日の昼下がり。鉄道車両に書かれた「HOUSE」の白文字が、現役当時の色に近い青いペンキで上塗りされていった。作業するのは、津別寝台車保存会の中村光司さん(64)=福岡県在住=。春と秋の年2回、各1週間ほど津別に滞在し、車両の内外装をボランティアで整備している。
町商工観光係によると、保存されている寝台車2両は1991年から10年間、キャンプ場の簡易宿泊施設「鉄路ハウス」として利用されていたが、老朽化で閉鎖された。
そのうちの1両「スハネ16510」は急行列車の寝台車として1960年代から活躍。石北線でも活躍した記録があり、オホーツクにもなじみが深い。北海道仕様車になっており、道内で現存しているのはこの車両だけで貴重だ。2020年に津別を訪れて車両を見た中村さんが「保存状態が良く、今手直しをすれば長く保存できる」と、町役場に掛け合い、アスベストの検査などを踏まえた上で整備に着手した。
保存会は福岡と神戸に住む計3人で組織。元国鉄職員もおり、専門知識を生かして整備に当たっている。「当時の姿に戻せば乗ったことのある人の記憶がよみがえるのでは」と、車両番号を国鉄時代の字体を模したものにするなど忠実な再現に余念がない。
年に2回の短期間の作業だけに、色の塗り直しや部品の交換など完了までまだ1年半かかる見通し。(星野雄飛)
(北海道新聞2025年11月5日掲載)


