
【別海】町が進めていた町指定文化財「旧国鉄奥行臼駅」の駅ホームの改修工事が終わり、見学が再開された。町はホーム改修費の一部をクラウドファンディング(CF)で募り、寄付金は目標額200万円を上回る約340万円が集まった。町郷土資料館の戸田博史学芸員は「多くの人が奥行臼駅を愛し、駅の保存を望んでいることが分かった。ホームは崩落の恐れがなくなり、今後は安心して見学してもらえる」と話している。
旧奥行臼駅は1933年(昭和8年)に開業し、旧国鉄標津線とともに89年に廃止。線路に挟まれた「島式ホーム」や駅舎などは91年、町指定文化財に指定。町が管理しており、同館によると年間3千人以上が訪れる。
特にホームの老朽化が進み、電柱や駅名標が傾き、縁石が崩落する恐れがあるとして、町は4月下旬から立ち入り禁止としていた。9月下旬からの修復工事は、電柱の再配置などを経て完了。11月下旬から見学を再開した。駅舎についてはホーム改修中も公開されてきたが、現在は冬季期間(11月4日~来年4月30日)で建物内部には入れない。
CFには町民ら計155人から計346万2千円が寄せられた。個人の最高額は20万円で、企業は33年の同駅開業時に駅舎を建てた田中組(札幌市)の50万円だった。
寄付者からは「昭和の懐かしい景観をいつまでも残してほしい」「奥行臼駅が生まれ変わり、たくさんの人が訪れることを祈念している」などのコメントが寄せられた。戸田学芸員は「全国の鉄道ファンが熱い思いとともに寄付をしてくれ、ありがたい」と話している。(森朱里)
(北海道新聞2025年12月9日掲載)


