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2026.01.02

From北海道新聞

「命をいただく」意味 現場で学ぶ*オホーツクの協力隊員 モニターツアー*エゾシカ猟、解体に同行 ジビエ体験も*ハンター市川さん*「食育として手応え」

北海道新聞記事
北海道新聞記事
仕留められたエゾシカを見つめるモニターツアー参加者
仕留められたエゾシカを見つめるモニターツアー参加者

 【佐呂間】町の地域おこし協力隊員で、ハンターでもある市川明さん(41)が事業化を目指すエゾシカの狩猟・ジビエ体験のモニターツアーが佐呂間町で行われた。オホーツク管内の協力隊員ら26人が参加し、市川さんらの狩猟現場に同行したほか、解体したエゾシカを炭火で焼いて実食。「命をいただく」ツアー造成の可能性や課題を探った。

 市川さんは旭川市出身で、2023年4月に着任。昨年、狩猟免許を取得し、有害鳥獣駆除のほか、エゾシカ肉のペットフードの製造・販売などにも取り組んでいる。

 ツアーは、清里町の協力隊員、大野恵さん(31)らが隊員同士の交流イベント「DD TOWN!」の一環として企画し、昨年11月21、22日に行った。北海道猟友会遠軽支部の鈴鹿保支部長が協力した。

解体したエゾシカ肉を炭火で焼く大野さん
解体したエゾシカ肉を炭火で焼く大野さん

 参加者は市川さんのグループと鈴鹿さんのグループに分かれて狩猟に同行。山林に入ってわずか10分、鈴鹿さんが140キロほどの雄シカを仕留めた。鈴鹿さんはすぐに、心臓付近にナイフを刺し、「食用にする時は肉に臭みが出ないようにすぐに血抜きをすることが必要だ」と説明した。

 一部始終を見ていた斜里町の協力隊員、浅香里菜さん(29)は息絶えたシカを前に無意識に深々と頭を下げていた。「撃たれてもなお生きようとするシカの姿に、命への向き合い方、命をいただく意味を考えさせられた」

 参加者全員で解体作業も体験。重機で逆さづりにされたシカの姿に当初は目を覆う参加者もいたが、部位ごとに丁寧に肉を切り分けた。

エゾシカの狩猟・ジビエ体験の事業化を目指す市川明さん
エゾシカの狩猟・ジビエ体験の事業化を目指す市川明さん

 その後、炭火焼きの新鮮な肉を食べた参加者は「臭みがなくコクとうまみが深い」「脂っこくなく、いくらでも食べられる」などと感想を話していた。

 市川さんは「参加人数や解体場所の確保など事業化する上での課題を整理できた。食育の観点から教育ツアーとしての可能性も感じた」と手応えを語った。

 大野さんらは今後もこうした交流イベントを企画していく考え。「地域との関わりをより強固にして、隊員同士が地域おこしの議論を深め合う場にしていきたい」と述べた。 (柳沢郷介)

(北海道新聞2025年12月9日掲載)

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