【安平】町内の若手農家3人でつくる合同会社「はやきた風土JAPAN」が、町遠浅にレストラン「朝人(アサード)」をオープンした。朝採り野菜に加え、朝水揚げしたばかりの海産物を鵡川漁協から取り寄せ、コース料理にして振る舞う。同社の宮崎晃行代表(42)は「野菜を出す農家のレストランは多いが、漁協と協力して海産物も提供する店は珍しい。両方のおいしさをPRしていきたい」と語る。
宮崎さんは近隣の農家と野菜を持ち寄って定期的に行うバーベキューの際に、とれたて野菜のおいしさを実感。「多くの人に味わってほしい」と常々考えていた。たまたま同町在住の鵡川漁協の小定雅之専務がバーベキューに参加した時、海産物の提供を打診し協力してもらえることになり、開店に向けて動きだした。
宮崎さんら20~40代の農家3人で店を経営する同社を5月に立ち上げ、シェフを雇い、そば店「そば哲遠浅店」の敷地内で9月3日に開店した。
店名の由来は、岩塩をまぶした牛肉を炭火で焼き上げる南米の名物料理「アサード」。宮崎さんによると、南米では週末にアサードを囲んで家族だんらんの時間を過ごす習慣があり、着想を得た。「漁師や農家という『朝に働く人』の意味も込めた」という。
鵡川でとれたホッキのポワレに宮崎さんらが収穫したカボチャを添えるなど、その日の仕入れに合わせてシェフが考案したコース料理を提供する。土曜日の午後5時半~9時半の完全予約制で、1人4800円(飲み物代は別)。
12月まではカボチャや根菜を収穫し営業する予定だが、野菜が収穫できない来年1~3月は休業を検討している。予約と問い合わせは、インスタグラム(@asado.hayakita)か電話070・2640・5859へ。(磯田直希)
(北海道新聞2022年10月8日掲載)