北見市端野町二区の老舗商店「尾谷商店」が鶏肉を使った新商品を開発した。ジンギスカンの全国大会で入賞した自慢のたれを生かした鶏肉版ジンギスカン「尾谷のとりじん」。ラム肉に比べて安価で、10月の発売直後から評判が広がっており、新たな看板商品として注目されそうだ。
「とりじん」は胸肉(320グラム、594円)と、もも肉(320グラム、842円)の2種類。500グラム入りもある。胸肉は淡泊な鶏肉の味わいを楽しんでもらうため、さっぱりとした味付けに。もも肉はそのまま焼いて食べるだけでなく、ざんぎの材料にも使えるよう濃いめの味付けにして違いを出した。現在は店頭販売のみで、今後店のホームページやふるさと納税サイトで購入できるようにする。
1913年(大正2年)創業の尾谷商店は、道内のジンギスカンブームに合わせて、75年から味付けラム肉の販売を開始。今年6月の全国各地の味付け羊肉の審査会「味付ジンギスカングランプリ」では、北見産タマネギやリンゴ、オレンジなど19種類の素材にこだわったたれが評価され、「尾谷のらむじん 特選味付ラム」が入賞した。
ただ、ラム肉は価格が高騰しており、8月に4代目社長に就任した尾谷奈緒子さんが「より安価な鶏肉で、たれの味を楽しんでほしい」と開発に着手。道産鶏肉に19種類のたれをベースにした味付けで、ラム肉の半値ほどとなる「とりじん」を完成させた。
食通だけでなく、消化器官系の病気でラム肉を食べられない人や女性からも「とてもおいしかった」と感想が早速寄せられたという。尾谷さんは「長年人気のある『のんたジンギスカン』のように、いろいろな方に食べてほしい」と話している。(相川康暁)
(北海道新聞2022年10月14日掲載)
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