【江別】新型コロナの影響などで、勤めていた市内のイタリアンレストランが昨年閉店した「えべつ観光特使」のピザ職人宮本翼さん(38)が、キッチンカーを活用し、再び江別で腕を振るっている。今年4月には札幌市内に新たな店を構えたが、江別から遠のいてしまったことが気がかりだった。宮本さんは「継続的に江別で出店し、期待に応えたい」と力を込める。
「マルゲリータいかがですか」。9月17日、とわの森三愛高の敷地で行われたえべつ観光協会主催の「えべつマルシェ」に、イタリア産の石窯を搭載した青色のキッチンカーと宮本さんの姿があった。次々とピザを焼き上げ、「これで地元のみなさんに恩返しできる」と喜んだ。
宮本さんは江別市出身でピザ職人の世界大会に出場した経験がある実力者だ。市内の商業施設「EBRI(エブリ)」内で、「ベジタリアファーム」(東京)運営の「エベッツァ」の店長を務めていたが、店はコロナ禍の打撃を受け、昨年10月に閉店した。
宮本さんは江別での出店も模索したが、条件が合わなかったことなどから断念。札幌・狸小路に「ピッツェリア デル カピターノ」(札幌市中央区南3西7)を出店した。江別時代の常連客をはじめ、札幌市民や観光客が訪れ、江別の魅力を伝える機会も増えたという。
一方で地元江別に対する思いも強く、7月の「やきもの市」には知人のキッチンカーを借りて出店。「自分の車ならいつでも江別に出店できる」と、エベッツァの運営会社からキッチンカーを譲り受け、9月から本格稼働している。
札幌の店と二足のわらじだが、今後は市内商業施設などへの定期的な出店を計画中だ。「お客さんとの距離が近いのがキッチンカーの魅力。これからも食を通じて江別を盛り上げていきたい」と語る。(土門寛治)
(北海道新聞2022年10月14日掲載)
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