
炭火でじっくりと焼き上げた厚切りの北海道産豚肩ロース肉とタレが食欲をそそる。ご飯をかき込みたくなる。「三代目かん太郎」の「チャップ」(880円)は、鶏の半身を焼いてタレに絡めた旭川名物「新子焼き」と並ぶ看板メニューだ。
肉をこまめに返しながら、炭火で15分程度じっくりと火を通す。3代目店主の吉本巧さん(45)は「余分な脂を落とし、柔らかい食感にします。肉を育てるイメージです」と語る。最後に創業から80年ほど継ぎ足すしょうゆベースの秘伝のタレをかけ、焼いたタマネギを添えて完成だ。
吉本さんによると、チャップという名前は骨が付いた肉をたたき切る「チョップ」が変化したという。戦前から養豚業が盛んで、豚肉が手に入りやすい旭川ならではのご当地グルメだ。名前は似ているが、ソテーした豚肉にトマトケチャップのソースを絡めるポークチャップとは一線を画す。

吉本さんの祖父勇さんが戦後間もない1947年、現在の旭川平和通買物公園で創業した。繁華街にある小路「パリ街」を経て、2006年から現在の場所に店を構える。
2代目の父弘さんが食道がんを患い、04年に吉本さんが24歳で店主を引き継いだ。飲食店の景気が良くなく不安だったが「若かったので、やってみるわという思いだった」と振り返る。
チャップは吉本さんにとっても「子どものころ、じいちゃんのところで食べるソウルフード」。昨年9月には全国放送のテレビ番組でも紹介され、人気は広がる。来店客の多くはチャップと新子焼きの両方を注文し、近年は訪日客も訪れる。
通販はコロナ禍で始めた。委託製造を検討したものの、店の味を出すことにこだわり、吉本さんが店の焼き台で1枚ずつ焼いて急速冷凍して発送している。
来年、創業80周年を迎える。吉本さんは「チャップの味を全国にもっと広げていきたい」と意気込む。(朝生樹)
| ▼所在地 旭川市3の13 |
| ▼電話 0166・22・5244 |
| ▼営業時間 午後3時半~10時(ラストオーダー9時) |
| ▼取り寄せ 通販サイト「きたうまれ」(https://kitaumare.com/item-detail/1856508)から。旭川名物チャップ焼き(3枚入り)3180円。送料別。 |
| ▼定休日 日曜 |
| ▼交通 JR旭川駅から徒歩15分 |
(北海道新聞2026年2月26日掲載)


