【利尻富士】町は6月1日から、町を訪れた観光客がスマートフォンでふるさと納税できる「旅先納税」を始める。運用は通年で、町に寄付すると、町内の加盟店約30店で使える電子クーポンをもらえる仕組み。島内観光のハイシーズンとなる夏場に合わせ、町内での経済効果の拡大を図る。
観光客は、町が今後、町内に掲示するPRポスターなどに記載されたQRコードをスマホで読み取り、専用サイトからふるさと納税を済ませると、寄付額の3割に当たる電子クーポンを受け取れる。町によると、旅先納税の導入は宗谷管内では猿払村に続いて2例目。インターネットサービスを展開するギフティ(東京)と連携する。
町が加盟店向けの説明会を4月18、19日に開き、町内のホテルや土産店、飲食店など35店舗が出席した。加盟店は町からクーポンの読み取り機器を無料で借り受け、新たな設備投資をせずに参加できる。返礼品の準備や郵送も不要な上、既存の宿泊プランや商品の購入に1円単位でクーポンを利用してもらえる。
納税額は5千円からで、クーポンは獲得後1年間、町内で利用できる。町会計課は「旅の空き時間を使って気軽にふるさと納税をしてもらい、町内での消費喚起につなげていきたい」としている。
道内では昨年12月に導入した後志管内俱知安町で、開始から3カ月ほどで約960万円の納税と、約280万円分のクーポン利用があった。(菊池真理子)
(北海道新聞2022年5月1日掲載)