【南富良野】豪華なキャンプ「グランピング」の施設を運営するJAG(ジャグ、南富良野町)は、町内東鹿越のかなやま湖畔に宿泊施設のモンゴルの移動式住居「ゲル」2棟を開業した。冬に人気のワカサギ釣り客の滞在などを見込み、通年で営業する。同社としては初の冬期営業で、安西英紀社長(54)は「かなやま湖周辺の冬のアウトドア観光も盛り上げたい」と意気込む。
安西社長は神奈川県出身。26歳で南富良野に移住し町内などで整骨院を経営してきた。新しいことを始めようと考え、コロナ下のアウトドアブームに着目。6年間モンゴルに住んだ経験がある友人から「道内では珍しいゲルを宿泊施設にしてはどうか」と提案され、その友人らと2020年9月にジャグを起業した。
21年6月に上富良野町の観光花畑「フラワーランドかみふらの」にモンゴルから輸入したゲル約10棟を設置したが、昨年は年末まで、今年は花の季節が終わる10月末ごろまでの営業だった。1年を通じて集客可能な場所を探し、地元のかなやま湖に今年7月下旬、新たに2棟を設置した。
ゲルは湖を見下ろす高台にあり、円柱と円すいを合わせた形で直径約6メートル、高さ約2・5メートル。内壁に木材を張り巡らせている。ベッド4台や木製ベンチとテーブル、ランタンを備え、電気も通っている。
かなやま湖は、夏期は大勢のキャンパーが滞在しカヌーなどアウトドアを楽しむが、ワカサギ釣りができる冬期はキャンプ場が閉鎖され、宿泊施設が少なくなる。今後は滞在用ゲルを増やすほか、サウナ用ゲルも置き、規模を拡大する予定だ。安西社長は「町内のアウトドア会社などと連携し、多くの観光客を呼び込みたい」と話す。
宿泊は1棟2~4人で、1人1泊の料金は、バーベキューの夕食付きで1万2千円(税抜き)、素泊まりは8千円(同)。申し込みと問い合わせは同社、電話090・9715・6008へ。(相武大輝)
(北海道新聞2022年10月29日掲載)