【名寄】市内唯一の温泉施設「なよろ温泉サンピラー」(市内日進)は11月1日にリニューアルオープンする。老朽化していた温浴施設の大規模改修工事が終了し、4月から休業していた温浴施設の営業を再開する。市関係者は年間を通じた名寄観光の活性化や、施設を運営する名寄振興公社の経営改善につながると期待している。
なよろ温泉は1997年に開業。市民の憩いの場として親しまれてきたが、温浴施設の浴室天井板が落下するなど老朽化し、サウナ室も狭いなど温浴施設の改修が懸案となっていた。ただ、施設を運営する振興公社の不祥事が2019年に発覚した影響で当初予定していた改修工事が今年にずれ込み、市が約3億5800万円をかけて今年4月から温浴施設の改修工事を進めてきた。
新しくなった温浴施設は、サウナ室を増築し収容人数を14人程度と従来の倍に。温泉の浴槽を2・5倍に広げ、洗い場の数も増やした。休憩室も快適に過ごせるよう一新し、内装や調度品に木材を多く使うなどくつろげる雰囲気にした。
振興公社はなよろ温泉のリニューアルに合わせて営業を強化。隣接する名寄ピヤシリスキー場でのスキー観光のPRに力を入れるとともに、市内唯一の温泉として地域住民の日帰り入浴や宿泊を伴う宴会利用などによる売り上げ増を図り、経営改善を目指す。
橋本正道社長(副市長)は「これからスキーシーズンに入るので、スキーを楽しんだ後はぜひ温泉にゆっくり漬かってほしい」と話す。
市はなよろ温泉のリニューアルを名寄観光の活性化にもつなげたい考えで、加藤剛士市長は「地元の人に利用してもらえるきっかけにしたい。コロナが落ち着くと、外国人観光客の利用も期待できる。名寄観光の裾野が広がってほしい」と話す。(谷口宏樹)
(北海道新聞2022年10月29日掲載)