北海道産の天然青海苔、って知ってますか?
高級食材の青海苔と言えば、高知・四万十川などが産地として有名ですが、北海道の沿岸にも若干種類は異なりますが、生息しているんです。
今まで未利用だった北海道産青海苔。それを有効活用しようとする活動が道南の松前町で始まっています。すごいでしょ?
そしてこの青海苔、まだ一般流通はしていませんが、今だけ特別に札幌で食べることができるんですよ。
手付かずの高級食材 道産天然青海苔
青海苔の産地と言えば、九州や四国をイメージしますが、北海道でも広く分布しているんです。
ただ、水産資源に恵まれていた北海道では、手間が非常にかかることもあり、ほとんど手付かずの状態でした。
海洋教育などを行う一般社団法人ブルーコモンズジャパン(函館)が2021年、道内74漁協に行ったアンケートでは、回答のあった50漁協のうち94%にあたる47漁協が青海苔を「収穫していない」、2漁協が漁業者が自家消費用に収穫している、と答えました。多くの漁協で漁業権を設定していないことも分かったそうです。
センチュリーロイヤルホテルの日本料理「北乃路」で特別提供
さて、そんな知る人ぞ知る「北海道産天然青海苔」の特別メニューを期間限定で提供しているのは、札幌市のセンチュリーロイヤルホテル19階にある日本料理「北乃路(きたのじ)」です。
年々水産資源が減る中、未利用海藻・青海苔の活用に取り組んでいるブルーコモンズジャパンに、ホテル側が声をかけて、今回の企画が実現したそうです。
北乃路で提供する青海苔は、ブルーコモンズジャパンが春に松前町の松前さくら漁協に依頼して収穫した松前の前浜で特別に収穫したものです。
手摘みで収穫し、洗って、天日干しして乾燥させる。手間と時間をかけて、ようやく口にすることができる食材です。
松前町は岩海苔で有名ですが、岩海苔と青海苔は同じ海で育っているそうです。
1月から2月にかけた寒い冬に収穫するのが岩海苔。対して、暖かくなる3月から6月くらいにかけて収穫できるのが青海苔で、温暖化の影響で、青海苔を収穫できる期間の方が長くなっているようですよ。
温暖化などで資源が減りつつある岩海苔に変わる新たな食材として期待が高まりますが、いかんせん手間がかかる食材なので、労働力不足など課題もあるようです。
特別メニュー「季節の炊きたて釜飯膳」
そういった背景は、いったん置いておいて、とっても贅沢な今回の特別メニュー「季節の炊きたて釜飯膳」(2900円)をご紹介します。
「鯛と北海道産天然青海苔」の釜飯、小茶碗には「北海道産鮭と札幌黄のソテー玉地寄せ北海道産天然青海苔の葛餡」のほか、お造り、八寸、甘味、オーガニックコーヒーまたは紅茶が付いています。
イチ押しは、なんと言っても、青海苔を炊き込んだ釜飯です。
ふたを開けると磯の香りが一気に広がり食欲をそそります。「火を入れると色が悪くなるから」(熊谷鉄之調理長)と、膳が運ばれて来てからご飯の上にかける用に、青海苔が入った小皿も付いていて、「追い青海苔」を楽しめます。だしも用意されているので、「味チェン」用にご飯は全部食べずにとっておいてくださいね。ちなみに熊谷調理長は松前町出身です。
提供時間は午前11時30分から午後3時(LO2時30分)です。
このほか、同じくランチタイムの「厚真ランチ」「茶話会プラン」、ディナータイムの「会席」のメニューでも、北海道産青海苔を使った1品を提供しているそうです。詳しくは問い合わせてみてください。
ただ、収穫量が非常に少ない希少食材のため、「無くなり次第終了」とのこと。興味のある方はお早めに。
日本料理「北乃路」 |
▽住所/札幌市中央区北5西5 |
▽予約、問い合わせ/011・221・3007 |
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