新型コロナウイルス禍による客足減少や、食材の物価高騰で売り上げが減少した釧路市内のラーメン店「愛楽亭」(益浦4)が、2年後に同店で使用できる食事券「愛楽亭応援券」の販売を始め、常連客から好評だ。10月21日の開始から1週間で30人以上の購入があり、経営資金の確保につながっている。
同店は1987年創業。近くにあった旧太平洋炭鉱の炭鉱マンや、近隣住民らに愛されてきた。旧太平洋炭鉱閉山後も常連客は途絶えず、トッピングのショウガがアクセントの「塩ラーメン」や、タマネギを丸ごと1玉使った「玉らぁめん」などが人気だ。
しかし新型コロナウイルスの影響で客足が大きく落ち込み、経営状態が悪化。さらに物価高により、光熱費や小麦などの原材料費の負担が増した。店主の木戸日出明(ひであき)さん(64)は「一時は閉店も考えたが、常連さんたちが『まだここの味を食べたい』と励ましてくれ、何とか継続しようと応援券の取り組みを始めた」と話す。
木戸さんは「特典が付かないのに、純粋な善意や応援の気持ちで購入してくれ、ありがたい。店を続けることで恩返ししたい」と意気込む。
応援券は500円、千円、2千円、5千円券がある。券にメッセージを書いてもらい、店内の掲示板に貼って保管する。問い合わせは同店、電話0154・91・5532へ。(服部貴子)
(北海道新聞2022年11月9日掲載)