今年も残すところあとわずか。これからやってくる忙しい年末を乗り切るために、何よりこの1年、仕事に家事にと大いに奮闘したご褒美に、いつもよりちょっと豪華な旅に出かけましょう。
頑張った貴女に贈る『ご褒美女子旅』。
道南、道央、道北、道東と北海道を4エリアに分け、各エリアごとに宿や温泉、食事に地酒などなど-を満喫する『ご褒美旅』を提案します。紅葉も終わり、かといって冬の観光シーズンにはまだ早い。そんな落ち着いた季節の北海道で、素敵な時間を過ごしてください。
まずは道南随一の観光地・函館に1泊2日の『ご褒美女子旅』に出かけます。
目次
札幌から空路で函館へ
ご褒美旅らしく、丘珠空港から空路で函館に向かいます。
札幌・東区民の山﨑は自宅から豪華に!タクシーに乗り込みました。ちなみに丘珠空港の最寄り駅は、地下鉄東豊線栄町駅。そこからタクシーで初乗りプラス1メーター、700~800円ほどで着きます。
0955丘珠発、1035函館着。あっと言う間のフライトです。
函館空港からはシャトルバス(450円)で20分。11時過ぎにはJR函館駅に到着です。駅にほど近いホテルに荷物を預けて、ランチに向かいます。
「メゾン フジヤ ハコダテ」で旬のフレンチランチを味わう
ランチは、元町の二十間坂の上に建つフレンチレストラン「メゾン フジヤ ハコダテ」です。
オーナーシェフの藤谷圭介さんが古き良きフランス料理の伝統を大切に、北海道の恵をふんだんに使った現代の美食を提供してくれます。
藤谷さんは江差町の漁師の家に生まれ、幼い頃から料理するのが好きだったそうです。東京服部栄養専門学校を卒業して、フランスで2年間修業。帰国後12年ほど札幌のレストランで腕を磨き、レストラン「コートドール」のシェフ時代には、ミシュラン1つ星を獲得します。「テロワールを大事に考え、自分らしさ、唯一無二の料理を出すためには、郷土に近い場所で」と考え、2020年6月に函館で「メゾン フジヤ ハコダテ」を開業しました。
生産者さんの所に自ら足を運んで仕入れた食材を多く使っていて、メニューには、生産者さんの名前が書かれています。「生産者と一緒に函館のブランドをつくっていければ、これ以上のことはない」とのこと。
一方で「近郊の食材だけだとフランス料理からかけ離れてしまう」と、あえてオマール海老やフォアグラなどフレンチの王道の食材を使うこともあるそうです。
私たちはランチコースの「menuA」(6050円)をいただきました。
メインは2000円追加して「北斗おぐに牛シンシンのロースト」を、ワインは道内外に人気を集める地元のワイナリー「農楽蔵(のらくら)」の微発砲白ワインをいただきます。
「旬の食材に敏感にアンテナを張っていきたい」という藤谷さん。これから年明け1月くらいまでは、「ババガレイの貴婦人風」、同じく1月前半くらいまでは「蝦夷鮑」を使ったブイヤベースがオススメとのこと。
ちなみにスペシャリテは、季節のフルーツと一緒に食べる「北斗おぐに牛」の牛タンのカルパッチョです。通年で、ディナーの前菜で提供されるそうです。
他にも春にはアスパラガス、江差のサクラマス。夏には近郊の夏野菜、函館のウニを使った手打ちうどん!などが登場します。
「ディナーのスペシャルコースを食べていただければ道南の旬を楽しむことができますので、ぜひ味わいに来てください」と話していました。
メゾン フジヤ ハコダテ |
▽住所/函館市元町17の17 |
▽TEL/0138・76・9653 |
▽定休日/水曜、第2、4火曜 |
▽HP/http://maison-fujiya.com/ |
HOTEL&SPA センチュリーマリーナ函館
ランチ後はホテルに戻ってチェックイン。素敵なホテルを満喫します。
お宿は、朝食激戦区・函館でひときわ注目を集める「センチュリーマリーナ函館」です。
港沿いにあり、すぐ目の前には、青函連絡船の航跡を伝える「青函連絡船記念館摩周丸」があります。
「癒やしのクルージング」をコンセプトに、吹き抜けのロビーの天井は、船底をイメージしたデザインになっています。
2階のショップには、13種類の枕を取りそろえたレンタルピローサービスと約20種類から好きな香りが選べるアロマバーがあり、無料で借りることができます。
そして、最上階(15階)と14階には、絶景の温泉を完備していますので、夜に備えて温泉でゆっくりします。
パウダーコーナーには、色々なメーカーのドライヤーが用意されているので、気になるメーカーを使ってみてください。
サウナは男性は、オートロウリュウ、女性はスチーム塩サウナです。
温泉に入って、部屋でコーヒーなどを楽しんでから、いざ夕食に出かけます。
HOTEL&SPA センチュリーマリーナ函館 |
▽住所/函館市大手町22の13 |
▽TEL/0138・23・2121 |
▽HP/https://www.centurymarina.com/ |
創業121年 老舗すき焼き店「阿佐利本店」
今宵のご褒美として予約したのは、市電(路面電車)の宝来町電停前にある1901年(明治34年)創業の老舗のすき焼き店「阿佐利本店」です。
いや応なしに雰囲気を盛り上げる外観の建物は、34年(昭和9年)の函館大火後のもの。総ヒノキ造りの純和風の木造2階建てです。
約20ヘクタールの宝来町地区には函館大火前、約150軒の飲食店がひしめいていたそうですが、函館大火まで歴史をさかのぼれる店は数えるほどになっています。
さて、お肉です。阿佐利本店は、精肉店でもあるんです。精肉店の総菜コーナーには、コロッケやシューマイなども並んで、朝早くからお客さんが買い求めに来ているんですよ。
さて、お肉です。和牛の格付け15段階のうち、最上位のA5からA2までの肉しか使わないそうです。
黒毛和牛A4サーロインコース(4200円)と、黒毛和牛赤身肉コースA5ランプ(3500円)を頼みました。個室でいただけるので、贅沢感が増します。
お店の方が焼いてくれます。贅沢です。
甘さ控えめの割り下と、その味に合うお肉を選び、味も焼く順番も創業以来ほとんど変えていないそうです。
野菜は、白滝、シイタケ、玉ネギ、三つ葉などなど。ほそ~い白滝は、すき焼きにものすごく合っていて美味しかったです。
昨年9月から4代目女将を務める土橋愛香さんは「(義理の)父と母が残してきたものを変わらず維持していきたい。誠心誠意おもてなしさせていただきたいと思いますので、ぜひ美味しいすき焼きを食べていただきたいです」と話していました。
「ハレ」の日に「自宅で楽しみたい」という方には、テイクアウト用の皿盛りセットも2人前から受け付けています。平日はランチもやっているそうです。
阿佐利本店 |
▽住所/函館市宝来町10の11 |
▽TEL/0138・23・0421 |
▽定休日/水曜 |
▽営業時間/昼(平日のみ):11時~13時半入店、14時半閉店 夜:16時~20時入店、21時閉店 |
大門の名物バー「舶来居酒屋 杉の子」
函館ナイトを楽しむために、阿佐利本店前の宝来町電停から路面電車に乗って、JR函館駅近くの繁華街・大門地区に繰り出します。
向かった先は、駅前から歩いて屋台村「大門横丁」を超えた向かいにある名物バー「舶来居酒屋 杉の子」です。
杉の子は1958年に、現店舗の約150メートル北東の柳小路に開業しました。初代店主の故杉目泰郎さんと、長女で2代目店主の青井元子さんが56年間にわたって店を守ってきましたが、大門地区の再開発に伴い、2014年12月に現在地に移転しました。
当時の柳小路は道内屈指の繁華街で、席代を取らずに酒を安く出した店は、学生や青函連絡船の船員たちのたまり場としてにぎわったそうです。開店当時に1杯60円で出したラムハイボールが店の名物になっています。
かく言う編集長の山﨑も学生時代、旧店舗に大変お世話になった1人。先輩に連れられて大いに飲んだ(飲まされた)のが思い出されます。
嗚呼、青春。
今回、移転後初訪問。入り口の看板「ラムハイボール 300円」の文字を見て、まだこんなに安い値段で頑張ってくれているのか~と感激もひとしお。学生時代は確か100円台だった記憶が…年齢がバレますな。
舶来居酒屋 杉の子 |
▽住所/函館市松風町8の5 |
▽TEL/0138・23・4577 |
▽定休日/日、月曜 ※3連休の場合は月曜のみ休み |
▽営業時間/19時~23時 |
▽HP/http://www5d.biglobe.ne.jp/~suginoko/ |
内緒のお店
ほろ酔い加減で大門地区からホテルに向かって歩いていると、ものすご~く素敵な店を発見してしまいました。
北海道産の日本酒とワインのお店です。「その日の酒」がそれぞれ数種類あり、1杯から飲むことができます。もちろんボトル注文もできます。ビールやジンもあります。
取材しましたが、「親子2人でやっているので、あまり混むと対応できないんです」とのことで、お店の名前は内緒です。
できるだけ安価な値段で道産酒を出すために、少ない人数で切り盛りしているので、せっかちな方はご遠慮を。のんびり待ちながら、ゆっくりと時間を過ごせる方のみ探して行ってみてください。ヒントは「びっくりする外観」。酒の肴も激うまです。普段お目にかかれない道産酒に出会えますよ。
山﨑編集長のご褒美女子旅vol.1 美食&街歩き 道南・函館編㊦
〈地域FM発〉〝地域の達人〟が教える、とっておきスポット ③函館編
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