今年も残すところあとわずか。これからやってくる忙しい年末を乗り切るために、何よりこの1年、仕事に家事にと大いに奮闘したご褒美に、いつもよりちょっと豪華な旅に出かけましょう。
頑張った貴女に贈る『ご褒美女子旅』の第2弾・道北編は、JR旭川駅前からレンタカーを借りて、上川町にある大雪山系の麓にたたずむオーベルジュを目指します。
道南、道北、道東、道央と北海道を4エリアに分け、各エリアごとに宿や温泉、食事に地酒などなど-を満喫する『ご褒美旅』を提案します。
紅葉も終わり、かといって冬の観光シーズンにはまだ早い。そんな落ち着いた季節の北海道で、素敵な時間を過ごしてください。
では、オーベルジュで美食と景色を楽しむ1泊2日の『ご褒美女子旅』に出かけます。
やって来ました、旭川。
ここからの移動はレンタカーです。
創業100年老舗「鳥料理 小野木」
昼時なので、ランチに向かいます。
旭川駅から車で20分ほどにある老舗の「鳥料理 小野木」です。
大正11年(1922年)創業で、今春創業100年を迎えました。松原秀次郎さんが養鶏所を営む傍ら営業を始めた小野木食堂がスタートです。今は伊達市内の農家から鶏肉を仕入れているそうです。
旭川の名店の1つで、日本人初のノーベル賞受賞者湯川秀樹博士と、世界初の人工雪を作った中谷宇吉郎北大教授が訪れたこともあるんです。2人は交流があったんですよ。その際、撮影した写真が店内に飾られていますので、探してみてください。
こちらのお店、入り口は2カ所あります。調理場が見えるカウンターや小上がりがある食堂と、日本庭園を眺められる座敷席の2つです。座敷を利用する人の多くは、事前予約しているとのこと。もちろん席が空いていれば当日利用もOKです。
私たちは座敷で、すき焼き風鍋の「鳥鍋」(2人前から、1人前1540円)と、人気メニューでテイクアウトもできる「千鳥揚げ」(700円)と「新子(しんこ)焼き」(755円)をいただきました。
千鳥揚げは、カリカリとした衣と骨付き胸肉のジューシーさがたまりません。添えられているごま塩を付けて、熱々のうちにどうぞ。
新子焼きは現在、旭川名物として市内の居酒屋や焼き鳥店が提供しています。小野木では戦後すぐに提供を始めた伝統メニュー。鶏のもも肉を香ばしく焼いたものです。旭川では、まだ卵を産んでいない若い鶏のことを「新子」と呼んでいたそうです。
4代目の松原康夫さんは「昔は育てて、卵をとって、最後にようやく肉として食べた。それを若いうちに食べてしまう非常に贅沢なメニューですよね」と言っていました。
そして、「昔ながらの味。ザラメで甘みを付け、柔らかすぎず、堅すぎない、若鶏と親鳥の中間の鶏を使っています」という鶏鍋は、絶品の味です。
鳥料理 小野木 |
▽住所/旭川市東旭川北1条6丁目10-27 |
▽TEL/0166・36・1146 |
▽定休日/火曜、第3月曜、不定休あり |
▽HP/http://www.onoki.org/ |
午後4時には日が沈むので、おなかを満たした後は、上川町の宿に向かいます。車で小一時間ほどのドライブです。
大雪山系の麓にたたずむオーベルジュ「フラテッロ・ディ・ミクニ」
今回の旅の最大の目的であるオーベルジュは、大雪山系の麓にたたずむ「フラテッロ・ディ・ミクニ」です。
オーベルジュとは郷土色豊かなレストランつきの宿です。
4棟のヴィラとレストランがあり、それぞれの窓から大雪山系の美しい山並みを見ることができます。
夏は、3つのエリアからなる広大な庭「大雪森のガーデン」が楽しめます。カフェやショップも併設されていますが、この時季は冬季休業中です。
レストランでチェックインします。
3タイプあるうち最大5人まで宿泊可能な「ヴィラ・フォレスタ」に宿泊します。
この日は残念ながら大雪山系の雄姿を見ることはできませんでしたが、広々とした室内で、豊かな自然を眺めながら贅沢な時間を過ごします。ヴィラ内のインテリアは旭川家具で、温もりと上質感が味わえます。
室内の詳細は『ご褒美女子旅 vol.2 道北編㊦』でお伝えします。
地元の食材を使った「北海道イタリアン」を味わう
さて、お待ちかねの夕食は、シェフが厳選した地元食材をふんだんに使った「北海道イタリアン」です。
夏場は、暮れゆく大雪山系を眺めながら、食事をすることができます。この時期は、朝食のお楽しみにとっておきましょう。
ヴィラからは歩いて坂を上って行きます。希望すれば車で送迎してくれます。夕食の時間には真っ暗になっているので、足元には気をつけてください。
ワインのペアリングをお願いしました。
レストランは、ご存じ北海道増毛町生まれで、「オテル・ドゥ・ミクニ」(東京都)のオーナーシェフ三國清三さんと、北海道イタリアンの第一人者で「トラットリア・ピッツェリア・テルツィーナ」のオーナーシェフ堀川秀樹さんのアドバイスを得ながら、宮本慶知シェフが現場指揮を務めます。
宮本さんは東京のイタリアンのシェフ時代に三國さんの目に留まり、堀川さんの元で1年間、北海道食材について学んだ後、上川町に移住し、フラテッロ・ディ・ミクニのオープン以来、シェフとして腕を振るっています。
「北海道は空気、水、土がよく、食材がすごくいいので、手をかけすぎないで、食材そのものを出せるようにしています」と宮本シェフ。夏は新鮮な野菜を付け合わせなどに多く使い、朝採りトウモロコシの冷製スープもオススメ。
通年で提供しているトムラウシ産ジャージー牛は、1カ月ほどウェットエイジングしたもの。ジャージー牛を肉牛として育てるのは珍しいが、「さっぱりしていてペロッと食べられます」とのことです。
「すごく素敵な場所です。『癒やしのレストラン』にしたいので、上川のいい空気を吸って、食事で英気を養ってもらいたいですね」と話していました。
素敵な夜を過ごすために
食事の後は、ヴィラに帰って、思い思いに時間を過ごします。ポーチに出て空を見上げると、満点の星が見えるかもしれませんよ。
ちなみに最寄りのコンビニまでは車で10分ほど。公共交通機関で来る場合はJR上川駅からタクシーになります。近くに飲食店などはありませんので、チェックイン前に、必要な飲み物などは買い込んできてください。ヴィラには、ワイングラスをはじめとする各種グラスや皿、ナイフなどが常備されています。
編集長の山﨑も上川町内のコンビニに立ち寄りました。すると偶然にも、地元の酒蔵の新酒が「今日発売された」とのこと。運命的な出会いなので、購入してきました。
もう1つ注意点。最高のロケーションだけに、Wi-Fiの速度がかなり厳しめです。山﨑のように仕事で訪れる人は少ないとは思いますが、念頭に入れておきましょう。
では、喧騒とは離れた静かな夜を楽しみます。
フラテッロ・ディ・ミクニ |
▽住所/上川町旭ヶ丘 |
▽TEL/01658・2・3921 |
▽HP/https://fratello-di-mikuni.com/ |
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山﨑編集長のご褒美女子旅 vol.2 道北編㊦オーベルジュで美食と景色を楽しむ
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