【小樽】手稲区のJRほしみ駅から歩いて約10分。札幌と小樽の境界線近くにある「ひろせ商店」(星野町12の7)は毎年11月下旬から翌年3月中旬まで、手作りの漬物といずしを販売しています。広瀬光子さん(79)、長男太さん(53)、次男洋行さん(50)の親子3人で営む店内には、今年も冬の味覚が並びます。
国道5号沿いにある食料品なども扱う酒店。入り口に貼り出す「たくあん漬け」「ニシン漬け」「積丹魚漬け」などの大きな張り紙が目印です。引き戸を開けると、すぐに目に飛び込むのが、漬物の入った一斗樽の列。たくあんだけでも甘みの強いものから、甘さ控えめなど5種類あります。
「ニシン漬け」「白菜すけそう漬け」「棒たら漬け」など魚介の香り漂う一斗樽も六つ並びます。ニシン漬けは、干したダイコンを使い、家庭的なやさしい甘みが特徴。スケソウとニシン、キャベツ、ダイコンを漬けた積丹魚漬けは多くのファンを持つ一品。パック詰めした「紫キャベツ甘酢漬け」「紫ダイコン甘酢漬け」も販売しています。
いずしは、サケやソウハチ、ホッケ、タコ、ガヤ(エゾメバル)など9種類を用意。大きめのダイコンを入れ、甘さを抑えたハタハタが一番人気。漬物もいずしも、全て添加物を入れずに作っています。漬物は毎年10月ごろから近所の主婦らの手を借りながら下ごしらえを始めますが、味付けは光子さんの仕事です。
「今年は夏の暑さのせいかダイコンが小ぶりで、仕入れようと思っていた数がそろわなかった。年々野菜の収穫時期が変わったり、魚が取れなくなっているのが心配」と光子さん。自然の変化を危惧しながらも、「漬物もいずしも、昔ながらの作り方なので懐かしい味です。冬の食卓にどうぞ」と話します。
午前8時半~午後7時半、無休、電話0134・62・2054。(伊多波雅樹)
(北海道新聞地域情報版「さっぽろ10区」12月6日掲載)