【雄武】町豊丘地区の田口牧場(北雄武511)に、直営のカフェ「うしり」がオープンした。プリンやケーキ、パスタなど、提供する全てのメニューに牧場産の牛乳を使用。酪農の傍ら、店を切り盛りするオーナーの田口真子さん(27)は「カフェをきっかけに、雄武や田口牧場を知ってほしい」と自ら接客と調理を手がけ、忙しい日々を送っている。
国道238号を町中心部から北上し、しばらくすると、左側に白い窓枠がアクセントの紺色の建物が現れる。2022年12月14日にオープンした「うしり」だ。
うしりは、「子牛のお尻が大好き」という田口さんが命名。店のマークも牛の尻をデザインした。
岐阜県出身の田口さんは製菓コースのある高校で学び、在学中から計5年間、フランス料理店で調理を担当した。チーズに関心を持ったことをきっかけに、北オホーツク農協(興部町、雄武町)の酪農実習生として移り住み、2019年、田口牧場を経営する友和さん(33)と結婚。酪農の傍ら、夢だったカフェ開業の準備を進めてきた。
店で使う牛乳は、牧場産の生乳を店内の製造室で低温殺菌処理している。「牛に牧草だけを与えていて、季節によって味が変わる」と田口さん。「牛乳はいろいろなものに使えて楽しめる食材」と、ドリンク類やパスタ類はもちろん、自家製のパンも水ではなく牛乳で仕込む。他の食材も雄武や近隣地域でとれたものを選んでいる。
カウンターとテーブル計12席の店は、放牧地の一角にあり、夏は草を食べる牛の姿を見ることができる。
ランチメニューは2種類で、値段や内容は月ごとに変わる。単品でホットサンドやパスタ、デザート、飲み物があり、持ち帰りの焼き菓子なども販売。木、金曜定休。午前11時~午後3時半(ラストオーダー)。問い合わせは田口さん、電話080・2668・3795へ。(三浦富貴子通信員、須藤幸恵)
(北海道新聞2022年12月24日掲載)